また、無断キャンセル以外に谷口氏が問題視しているのが、グルメサイトの手数料の仕組みだ。
「グルメサイトは当初、月額掲載料のみで、新規集客のための広告として使われていました。そのうちネット予約への対応が進み、予約1件ごとの『送客手数料』という従量課金が上乗せされるようになりました。食べログの場合、ディナーは1名あたり200円、ランチは100円(いずれも税抜)が、月額掲載料に加えて発生します。
今まではグルメサイトで知り、電話で予約が入ってもお金は取られなかったのに、ネット予約対応によって送客手数料が取られる状況になっている。でも、忙しいときに電話対応するのも大変。このあたりは店舗側としてジレンマになっている状況です」
グルメサイトの「隠れたコスト」とは
谷口氏はかつて、グルメサイトの代理店業務に携わっていた時期がある。そのグルメサイトは予約1件あたりではなく、予約代金に応じた一定の割合を手数料として徴収する成果報酬モデルだ。飲食業界の利益率は一般的に2〜3%程度と言われており、送客手数料の負担は重い。
その結果、現場で何が起きるか。谷口氏はこう明かす。
「一部の飲食店ではグルメサイト経由の客の料理を調整していました。量を減らす、材料を安いものに置き換える、古い食材を使うなどの対応をしているというケースもあったようです。刺身の盛り合わせからマグロを抜くなどの話も聞きました。そしてそのグルメサイト経由のお客様は店の左半分、その他のお客様は右半分に配置します。隣り合わせになると、明らかに量が少ない、野菜の色が悪いと客に気づかれてしまうからです」
飲食店を予約するとき、既知の店だったとしても連絡先をネットで検索する人は多いだろう。その際、グルメサイトの店舗ページがヒットすれば、そのまま予約に進む。すると、店舗としては送客手数料が発生してしまう。常連客としても、グルメサイトの選択肢によって割を食う構造だ。