近年、中国で人身売買事件が大きくクローズアップされたのは2022年、江蘇省徐州市郊外で、首を鎖でつながれた女性が発見されたときだ。当時の報道では、女性は10代だった1998年に雲南省で誘拐され、5000元(当時のレートで約9万5000円)で人身売買された。その後、何度も売買され、省をまたいで転々と移動させられ、最終的に徐州市郊外の男性の「花嫁」にさせられた。

夫は拷問などの罪で懲役9年

8人の子どもを産まされたが、途中から精神疾患を患い、首を鎖でつながれて、真冬でも暖房のない狭い小屋に閉じ込められていた。このときも農村を回るブロガーが発見し、通報したことにより事件が発覚した。この問題は中国メディアも大々的に取り上げ、中国では「鉄鏈女」と呼ばれた。

翌年、夫は拷問、虐待、監禁などの罪で懲役9年、関係者5人も懲役8~13年の実刑となった。中国のSNSでは「1人の女性の人生を台なしにしておいて懲役9年はあまりにも軽すぎる」「現代の中国でこんな問題があるなんて信じられない」「これは氷山の一角ではないのか」といった怒りのコメントが多かった。

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しかし、中国のウェブサイトで誘拐・人身売買について調べようとすると、出てくる情報は驚くほど少ない。

中国版ウィキペディア「百度百科」には、2012年に全国で誘拐された児童は5907件、2020年には666件に減少した、とある。最高人民検察院のデータによると、2025年1~11月に全国で起訴された児童・女性の犯罪は950人で前年比16.4%減となっている。また、新華社通信の今年4月2日の報道には、「最高人民法院によると、女性・児童の誘拐は、2025年はピークだった2012年より77.95%減少している」とある。

しかし、ピーク時の人数や詳細は書かれておらず、報道として不完全だ。他のデータも探してみたが、実態を把握できる情報を見つけることはできなかった。