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モンスターと呼ばれる人たちにも「事情がある」
一人暮らしで、他人と話す機会がほとんどない人なら、配達員との数分間が、その日唯一の会話なのかもしれない。孤独やストレスの行き場がなく、それがたまたま「配達」という接点にぶつけられている。そんなこともあるのではないかと思っていた。
実際、ある常連のクレーマーについて、後日、配達員仲間から話を聞いたことがある。その客は近所でも有名な人物で、宅配業者だけでなく、新聞配達や郵便局、さらには近所の子どもにまで厳しく当たるという。
特定の配達員を狙っているわけではない。関わる人間なら誰に対しても同じような態度を取っているのだ。
それを知ったとき、少しだけ気が楽になった。自分の配達が悪かったわけではない。その人自身が、他人とそういう関わり方しかできないのだとわかったからだ。
もちろん、だからといって理不尽なクレームが許されるわけではない。秒単位の遅れを怒鳴ることも、些細なことを理由に相手を責め立てることも、正当な権利ではない。
土下座を求めたり、その姿を撮影したりするような行為は、なおさらだ。
ただ、そういう人たちを「ただのヤバい客」で片づけてしまうと、見えなくなるものもある。モンスターと呼ばれる人も、もとをたどれば一人の人間だ。そこには、孤独やストレス、うまくいかない人間関係など、何かしらの事情があるのかもしれない。
