Q 中間選挙の結果、どう思いますか?
トランプ大統領の任期前半の信任が問われた、中間選挙が11月6日に投開票されました。その結果、下院は野党民主党、上院は与党共和党が過半数の議席となりました。この結果を池上さんはどうご覧になりましたか?(50代・女性・主婦)
A これからは、議会と大統領の戦いが見ものです。
今回、上院は与党共和党が過半数を維持したことで、トランプ大統領が善戦したという見方がありますが、私は疑問に思います。今回、改選を迎えた上院議員は民主党が多く、改選を迎えなかった上院議員の数で共和党が圧倒していたからです。
つまり民主党が圧勝しても過半数に達するのは困難だったのです。
一方、下院議員は全員改選。こちらでは民主党が躍進し、過半数に達しました。これが、いまのアメリカ国民の世論を象徴していると思えます。
いまのままですと、2年後の大統領選挙と同時に実施される上院議員選挙では改選を迎える共和党議員が大勢いますから、共和党が少数派に転落する可能性があります。
これからの下院では、各委員会の委員長を民主党が独占しますから、トランプ大統領のロシア疑惑の追及が始まるでしょう。
トランプ大統領は、これまで納税申告書の公開を頑なに拒んできました。過去の大統領や大統領候補は選挙中に公開するのが恒例でしたから、トランプ大統領の態度は、あまりに異常です。疑惑を追及する委員会が内国歳入庁(日本の国税庁に該当)に命令すれば、申告書を公開できるはずです。ここで、どんな内容が飛び出すか。トランプ大統領にとって致命傷になる可能性もあります。
一方で、自分の仕事がうまくいかないことを「議会で民主党が妨害するからだ」と民主党に責任を押し付けることもするでしょう。議会と大統領の戦いが見ものです。
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