文春オンライン

2019/02/24

 今、若い噺家や落語ファンに志ん朝の録画を見せても、大して感動しないらしい。「ああ、上手いですね……」といった程度で、あまり興味を持たないというのだ。まあ、それもわからないことではない。

 筆者の世代の多くは、名人と言われた三遊亭圓生や先代桂文楽の生の高座には接していない。「圓生はよかった」「文楽はすごかった」と熱く語る当時のオールドファンに、「ああ、そうですか……」と生返事をしていたのと同じことなのだ。「昔はよかった」は、いつの時代も嫌われる。

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 今、寄席のプログラムを見ると、古い世代が喜ぶ落語を演じる噺家は全体の3割で、残り7割は若い世代に支持される芸人で構成されている。この割合は、噺家の年齢とは関係がない。年配の噺家にも若い世代に親和性のある噺をする者もいれば、逆に頑ななまでの「古さ」が若い層に支持される者もいる。

 したがって、年配の客が寄席に行くと3割しか楽しめない、というものではないのだ。3割のほうにも7割のほうにも、「面白い噺家」「上手い噺家」は一定数いるし、その逆もいる――ということを念頭に、反対意見もあるだろうがお薦めの噺家を列挙する。

 落語協会からは柳家さん喬、五街道雲助、柳家権太楼、春風亭一朝、入船亭扇遊、柳家小ゑん、林家正蔵、林家しん平、柳亭市馬、橘家圓太郎、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、橘家文蔵、桃月庵白酒、隅田川馬石、春風亭百栄、蜃気楼龍玉、古今亭志ん陽。落語芸術協会からは昔昔亭桃太郎、三遊亭笑遊、瀧川鯉昇、桂南なん、春風亭柳好、三遊亭遊雀。円楽一門会からは三遊亭兼好。落語立川流からは立川生志。

 これらの芸人を入口に、寄席や落語会に出かけてみてはどうだろう。きっと今の時代の、自分に合った噺家が見つかるはずだ。

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