公示地価が発表された。東京都区部の地価は住宅地で対前年比9.0%、商業地で同13.8%という高い伸びを示した。昨年は大阪・関西万博で盛り上がった大阪市も住宅地で6.5%、商業地で12.7%と、東京都区部に次いで高い上昇率となった。

 いっぽう三大都市の一角である名古屋市はどうかといえば、住宅地が3.1%、商業地が4.5%の伸びと前年の上昇率(住宅地3.6%、商業地5.0%)を下回る結果となっている。地価上昇が顕著なのは東京、大阪だけかといえば、福岡市は住宅地7.0%、商業地9.0%、仙台市で住宅地4.3%、商業地7.8%といずれも名古屋市を上回る伸びを示している。

JR名古屋駅 ©AFLO

地価上昇で際立つ東京・大阪との差

 地価が上昇するのが良いことだと断言はできないが、成長する街のイメージとして考えると東京や大阪と比べて圧倒的に低い伸び率の名古屋が気になる。

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 名古屋の街を歩くと、まず気付くのが道路の広さだ。戦後の都市計画で名古屋市は街路整備が最も上手にできた街といえ、車を運転すると実にゆったりとした道路網であることがわかる。ただいっぽうで、あまりに道路幅が広いために商業圏が分断され、また通りを渡るのに心理的な圧迫感、つまり向こう側の街が遠く感じて足が向きにくい構造にある。

 商業街は市営地下鉄の栄、丸の内、伏見、久屋大通の4つの駅で囲まれたスクエアなエリアに集中する。オフィス街はこのエリア以外では近年、名駅地区に高層オフィスビルが集中的に建設されたことで、2つのエリアを形成している。

 街を歩いて気づくのがインバウンドの少なさだ。東京はもちろん最近、大阪市内はどこを歩いても「ここはどこの国?」と思うほど外国人てんこ盛り状態だ。話している言語も中国語、英語のみならず各国語が乱れ飛び、日本語が聞こえるとホッとするほどだ。ところが名古屋市内は驚くほどインバウンドが少ない。