昨日、千秋楽を迎えた大相撲春場所。新入幕・尊富士の優勝はじめ波乱の展開に大きな盛り上がりを見せた一方、春場所直前には元横綱・白鵬こと宮城野親方の“部屋解体”問題が取沙汰されるなど、角界には暗い影も差しています。揺れに揺れる大相撲の今をまとめました。
2021年7月、名古屋場所。優勝回数44回を数える横綱・白鵬は、打ち出し後の薄暗い廊下で大関・照ノ富士と鉢合わせた。白星を並べ、優勝を争う両者は言葉を交わすこともなくすれ違うはずだった。
しかし薄笑いを浮かべた大関が、横綱の耳元で何事か囁いた刹那、横綱の顔にはみるみる真っ赤な憤怒の形相が浮かんだのだった。
睾丸平手打ち、指に瞬間接着剤、スプレーに点火して火あぶり……。元弟子の悪行の数々を見過ごし、“師匠失格”の烙印を押された元横綱・白鵬こと宮城野親方。部屋は大阪場所後に“解体”される見通しだ。
《白鵬に“師匠失格”の烙印》週刊文春が報じた北青鵬「暴力&引退騒動」全真相
元横綱・白鵬こと宮城野親方の“秘蔵っ子”だった宮城野部屋の北青鵬(22)が、角界を追われた。日本相撲協会が2月23日に開いた臨時理事会で、北青鵬の引退届を受理したことを発表した。
問題視されたのは、部屋の後輩力士たちに対する日常的な暴力行為。協会からの引退勧告を受け入れたかたちとはいえ、事実上の“クビ”である。
2月11日、元関脇・逸ノ城こと三浦駿氏(30・以下、逸ノ城)の断髪式が、都内墨田区のホテルで開催された。SNSで募集した一般参加のファンや母国モンゴルの関係者らを含めて、約400人が出席。会場には、元横綱・鶴竜こと音羽山親方、元関脇・朝赤龍こと高砂親方、現役大関の霧島ら、逸ノ城と同じモンゴル出身の親方や力士たちも駆け付けた。
「力士は四股名を呼び上げられることで『良い相撲を取って頑張ろう』って気合を入れるんです。でも彼の場合、『呼び上げ』じゃなくて『呼び下げ』なんです」
開催中の大相撲九州場所。結びの一番を見て、かつて呼出の最高位・立呼出(たてよびだし)を務めた人物は嘆くのだった。
通夜のような重苦しい空気だった。5月4日昼、両国国技館で急遽、行われた元関脇・逸ノ城(30)の電撃的な引退会見。
「親方と話をして、2日前に決めました」
同席した湊親方(元幕内・湊富士)とは、互いに1度も目を合わせることなく、師弟は別々の出入り口から退場していった。
11月27日、九州場所千秋楽。身長169cmの力士が尻もちをつくと、客席から大きなため息が漏れた。敗れた力士は幕内・照強(27)。この取組が注目を集めたのは、彼が15戦全敗で場所を終えたからだ。
優勝力士 逸ノ城 “おかみさん殴打”で破門の危機
今夏の名古屋場所で初賜杯を抱いた逸ノ城(29)。優勝インタビューでは、はにかみながらこう答えた。
「(この喜びを)親方をはじめおかみさん、いつも支えてくれている皆さんに報告したいです」
だがこの時、湊親方(元幕内・湊富士)との師弟関係は崩壊していた。
白鵬 パワハラ相撲が許されないこれだけの理由
「勝ちさえすれば何をやってもいいのかという思いをファンに植え付ける、横綱の名を汚す相撲でした」
名古屋場所で45度目の優勝を果たした横綱白鵬(36)をこう評するのは、相撲評論家の中澤潔氏。白鵬の相撲はなぜ問題なのか。
朝乃山にウソをつかせたのは“タカリ”新聞記者だった
「すみません……」
うなだれた様子の大関朝乃山(27)が、日本相撲協会の聴取に小誌報道を事実だと認めたのは5月19日夜。「事実無根」と否定してから24時間以上経った後だった――。
朝乃山 裏切りの深夜キャバクラ常習犯
緊急事態宣言の最中、大関・朝乃山が足しげく通う闇営業のキャバクラ店。五月場所初日を2日後に控えた5月7日夜10時半、彼が待ち合わせしていたのは番記者だった。張り込みに気づいた番記者は小誌の車のドアをこじ開け――。
source : 週刊文春