仲邑菫が目指すべき最年少記録は?
「囲碁では、井山裕太四段が2005年に達成した16歳4カ月です。決勝の相手は、数々のタイトルを獲得した小林覚九段。数ある強豪を破っての優勝で、この結果はみんなびっくりしたんじゃないですか。いまでいえば藤井聡太さんの朝日杯優勝に匹敵する活躍です。井山さん本人も、阿含・桐山杯の優勝が飛躍の原点で自信につながったとおっしゃっています。
ちなみに阿含・桐山杯はエントリー制で、さらにアマチュアの代表選手が20人も出ます。アマチュアに負けると、囲碁の棋士は将棋界以上にダメージを受けますね。教えているところで色々といわれてしまうので。今年はアマチュアが負け越しましたが、勝つときは五分五分くらいまでいったことがあります」(山村さん)
将棋の棋戦優勝(全棋士参加棋戦)の最年少記録は、藤井聡太の15歳6カ月(2018年の第11回朝日杯将棋オープン戦)。佐藤天彦名人、羽生善治竜王らタイトル保持者を次々と破った。2019年は決勝で渡辺明棋王をくだし、2連覇を達成している。
「参考記録になりますが、囲碁のタイトル獲得で女流棋戦を含めると、2014年に藤沢里菜さんが会津中央病院杯(女流立葵杯の前身)で優勝した15歳9カ月です。また、もし将棋と同じように囲碁の棋戦を七大タイトル戦と一般棋戦にわけると、タイトル獲得の記録は2009年に井山さんが名人戦で達成した、20歳4カ月になります」(同前)
2016年4月、井山は七大タイトルの独占を成し遂げた。同年11月に名人を失って七冠の牙城を崩されるも、2017年に名人を奪い返し、2度目の七冠独占を達成している。
藤沢里菜は現女流三冠。史上最年少棋士の仲邑菫も、まずは藤沢里菜の棋戦優勝記録更新を目指すことになりそうだ。ちなみに、藤沢里菜は次に取り上げる藤沢秀行の孫にあたる。