ひっどい回だった!
オープニング早々、「溜まっとんやろ?」と言って、ノブの股間を揉む大悟。高校時代から付き合い結婚した妻を裏切ることができないし、CMの契約上、問題を起こすこともできない。だからノブが欲求不満になっているのではないかと企画されたのが「今日だけ浮気OK! ノブの欲求不満を解消したいんじゃ!!」だ。隠れて浮気をするからスキャンダルになってしまう、テレビで堂々とやれば問題はないのだと。
いまや千鳥の“クセ”はバラエティ界全域に伝染し、欠かせない存在になった。まさに脂が乗り切った状態で満を持して始まった彼らの冠番組が『テレビ千鳥』(テレビ朝日)だ。番組の初回は、ゲームセンターロケ。やり尽くされた場所だが、そこで100円しか使えない、つまり1度しかプレイできないという枷をつけるだけで、千鳥は爆発的に面白いロケに仕立て上げた。その後も、ノブも出演する他局の人気企画「ゴチになります!」のパロディ、ひたすら面白キャラを考案していく企画、時間のない中、海へのドライブ、日焼けサロン、料理と、ごくシンプルな企画ばかり。しかも、ほぼゲストを入れずに2人だけ。それ故に千鳥の魅力が凝縮されている。大悟がやりたい放題自由に振る舞うのをノブが嘆きつつも、ひたすら楽しく、くだらない時間がすぎていくのだ。
「欲求不満」を解消させるために大悟がノブを連れてきたのは、都内から1時間半のとある畑。「何本でも用意しとる」という大悟。よく情報番組などで紹介されるようなエッチな形の大根を好きなだけ「抜きに抜け」と言うのだ。ノブは困惑しながらも試しに1本抜いてみると思わず「スゲエの見つけた」と声を上げてしまう。それにすかさず「このスケベが!」と笑う大悟。やがて二股に分かれている大根を見つけ自然と歓声が上がったりしているうちに、エッチな大根を抜く前から見分けられるまでに“成長”していく。ノブ曰くそのコツは「上・太・斜め」だ。今後の生活に一切役に立たないであろう情報。なんというくだらなさと意味のなさだ。ひとしきり終わり我に返ったノブは言う。
「最終回の捨て回か!」
大根畑からスタジオに移動しても、ひっどい企画は続く。おっぱいだけならいいというスタッフの胸を揉んだり(もちろん男性)、以前番組で生まれた大悟扮するほぼ全裸の変態キャラ「イニガ」が再登場したりと、くだらなさは加速していきノブは「大根がピークです」と嘆く。
どんな題材でも、それがシンプルであればシンプルであるほど、彼らのボケの精度が磨かれ、ツッコミの語彙も広がっていく。何よりも、2人のひっどいじゃれ合いが幸せな爆笑を生んでいくのだ。
INFORMATION
『テレビ千鳥』
テレビ朝日系 月 25:59~
https://www.tv-asahi.co.jp/tvchidori/#/