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れいわ新選組の行方は注目に値した、参院選

――最後に、今後の日本の政治についてお伺いします。今回の参院選で改憲勢力の3分の2には届かなかったものの、安倍首相は憲法改正をしたいという風に言っていますが、これは実現すると思いますか?

舛添 それは自民党の公約でもありますから、きちんとやらないといけないということになるでしょう。ただ、本音と建て前がここまで乖離してしまっていいのかという思いがある。今では航空母艦を持ち、集団的自衛権も認められていて、もう憲法9条を改正しなくても何でもできてしまいますよね。なし崩しの度が過ぎているという気がします。

 

――ポピュリスティックなれいわ新選組が大きな注目を集めました。立憲民主党は改選の議席数を大幅に伸ばしましたが、それでも野党の存在感は薄かった。なぜ「一強」を崩せない状況が続いてしまうのでしょう。

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舛添 民主党政権の時の失敗が尾を引いていることは大きいですね。またポイントは、共産党だと思います。選挙協力したところで、立憲や国民の支持者が共産党に入れるかというとむずかしい。12年前、自民党は参院選で負けて、その2年後に政権交代という結果になった。その時は民主党1本で、非自民、非共産で勝ったわけです。立憲と国民が分かれてしまったというのは非常に大きな問題でした。

 

 れいわ新選組の行方は注目に値したと思います。完全にポピュリズム、ネット現象です。ネットの世界と、普通の人というか地上波のテレビしか見ない人の世界の差はますます広がっている中で、れいわ新選組は2議席を獲得し、3議席目の山本太郎は落選。健闘したと言えるでしょう。

安倍政権はどこまで続くのか、終わったあとどうなるのか

――すでに安倍政権は、憲政史上に残るような長期政権になっていますが、自民党の二階幹事長は、安倍首相の党総裁4選について支持する考えを示しました。

舛添 桂太郎を抜くと憲政史上最長になるんですよね。安倍さんが最初に総理になった時、森さんと「小泉の時に官房長官をやったからといって、若いのに早すぎる」「必ず失敗するから、もうちょっと待ったほうがいい」と言っていたんです。で、やはりすぐ体調を崩して失敗しちゃった。私は福田・麻生政権の頃も厚労大臣を続け、そこで政権交代です。安倍さんが一番がっくり来た時期を見ていただけに、まさかもう一度戻ってきて、この後こんなに長くなるとは思わなかった。

 

――安倍政権はどこまで続くのか、終わったあとどうなると思われますか?

舛添 現段階で安倍の代わりになる人がいるかといったら、石破、岸田、野田聖子……。4選でも5選でも、規約を変えれば実現可能です。もしかすると続けていかざるを得ないかもしれません。しかし、長期政権は腐敗する。そして政治の世界は何が起こるか分からない。このことは身をもって実感しています。

事務所に飾られていた舛添氏のポートレイト

写真=佐藤亘/文藝春秋

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