外交関係者によると、「こうした専門家の意見を吸い上げて、青瓦台でもあらゆるシミュレーションをしてさまざまな解決策が机上に並べてある」といい、「最終的には文在寅大統領の決断」と話していた。
韓国在住記者が見た、日本製品不買運動のリアル
政治の問題は民間にも及び始めている。当初こそ様子見の雰囲気があった「日本製品の不買運動」はここに来て小売業者から宅配業者まで広がりを見せている。
ただ、よく売り上げ激減の例に挙げられる日本のビールは、商品そのものは一部のスーパーを除き普通に店頭においてある。コンビニの棚にもアサヒ、キリンがしっかり並んでいた。コンビニ店の店主は、「一部の運動家が騒いではいますけどね。売れるものを売らない店はないでしょう。輸出規制には腹が立ってもそれと商売は別。不買だなんて時代錯誤もいいかげんにしてほしい」とやや困った表情だった。
また、日本旅行のキャンセルが続いていると報道され、日本行きのLCCも一部運休が報じられている。最近では、「日本に旅行に行っても大丈夫か」と訊かれることも多くなった。実際に、20代の知り合いも大阪行きをキャンセルしたそうで、「そんなことはないと言っても、日本に行ったら嫌な目に遭うのではないかと母が心配するので、今回は旅行先を台湾にかえました」と話していた。
その一方では、毎年日本の地方を旅行している50代の知り合いは夏の北海道旅行もそのまま予定しているという。ただ、「今回はこっそり行こうかと。インスタグラムにも絶対に写真は載せない。『ボイコット ジャパン』なんて騒ぐ人がいる中で、とやかく言われるのは面倒くさいですから」と苦笑いしていた。
新天皇即位までに特使を派遣?
日本が韓国を「ホワイト国から外す」ことへの意見公募も24日に締め切られ、韓国では「8月初めにも決定される可能性が高い」(中央日報7月25日)と戦々恐々とした雰囲気だ。韓国の李洛淵国務総理は25日、「事態をこれ以上悪化させずに外交協議を通じて解決策を見出そう」と日本政府に呼びかけた。
また、長峰安政駐韓日本大使が韓国の国会外交統一委員長に、「10月22日の新天皇の即位儀式(10月22日)の前までに特使を日本に派遣すれば韓国も祝賀使節団を送れるのではないか」という趣旨の話をしたと韓国で報道された。これを受けて、「韓国では10月が問題解決の期限とする見方も浮上している」(韓国紙記者)というが、長峰大使は発言自体を否定している。