棋士の仕事は、対局と普及活動、解説などに分かれる。命ともいえる対局は、勝率6割以上の若手なら年間40~50局ほどで、早指し戦以外は1日1局だ。昨年度のトップは広瀬章人竜王の64局で、藤井聡太七段は5位タイの53局だった。
それ以外の日はオフで、どう過ごすかは本人次第。対局以外の仕事に精を出す棋士もいれば、次の対局に備えて研究や棋士仲間との練習を熱心に行うものもいる。息抜きの方法も、棋士によって様々だろう。
今回は、20代後半の若手強豪に対談してもらった。黒沢怜生五段は関東所属の27歳、都成竜馬五段は関西所属の29歳。棋士は小学生のときから修業を重ねるので、一般的には職人のような気難しいイメージがあるかもしれない。だが、今回の2人はとても爽やかな好青年だ。まずはその日常を紹介しよう。
(全2回の1回目/#2へ続く)
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都成家の「牛乳あまざけ」を飲んでみた
――対談の前に、まずは都成さんの実家、白水舎乳業の『牛乳あまざけ 百白糀』をいただきましょう。開発されたのは2014年で、原料は牛乳と米麹だけなんですね。
都成 試作で飲んでいたときは、麹の粒がすごく残っていて、すごくまずかったです。本当に、びっくりするぐらいまずくて(笑)。
――今日は都内の宮崎県アンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」で買ってきたんですけど、発売からわずか数年で取り扱いされているのには驚きました。
都成 うちの牛乳屋は宮崎で割と有名で、今年で創業100年を迎える老舗なんですよ。市内の学校給食、自分が通った小中もうちの牛乳でした。乳製品はソフトクリームもあって、県内にイベントカーで出張販売とかもしています。
――なるほど。さて、黒沢さんの食レポをお願いします。
都成 (黒沢さんを見ながら)どうですか?
黒沢 初めて飲んだ味でしたが、美味しいですね。
都成 ありがとうございます(笑)。甘酒は結構、癖が強い飲み物ですけど、牛乳で中和されていると思います。
――甘酒の甘さをミルク感が包み込み、和風のチーズケーキっぽい味わいですね。デザート感覚で飲めるので、女性が好みそうです。
黒沢 身体によさそうですね。
都成 ええ、それがウリなので。砂糖も入っていませんし。