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「自己の研鑽に励む」とは、自らのカラーを出していくこと

 そして、「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励む」と強調する。上皇を含めた「歴代の天皇のなさりよう」を意識すること、それは過去の天皇のあゆみを自らも引き継ぐという意思であろう。

8月1日、臨時国会の開会式でおことばを述べられる天皇陛下 ©AFP/AFLO

 ただ、それだけでもない。それを踏まえて「自己の研鑽に励む」という。それは、時代・社会の状況に応じ、自らのカラーを出していくことではないか。たとえば、ライフワークとしている水問題などにも取り組むことができるのではないか、と2019年2月21日の皇太子時代最後の誕生日の記者会見でも発言している。まさに自身も「その強い御心を御自身のお姿でお示し」しようとしているのではないか。

2月21日、誕生日に際した記者会見 宮内庁提供

 平成から令和の象徴天皇制がどのように継続しつつ、変化するのか。今後に注目していきたい。

天皇皇后両陛下 ©AFP/AFLO