自作の「にんじん天丼」もすこぶるウマい
そこで、半ライスににんじん天を注文し、自作の「にんじん天丼」を食べてみることにした。すると若大将が温かいかけつゆをどんぶりに入れてくれたので、それを少しかけまわして食べると、これがまたすこぶる旨い。お米も旨い。「立ち食いそば屋の天丼は自作に限る」と再認識。
若大将に「天ぷらを揚げるとき一番注意すること」を聞いたところ、キャノーラ油100%を使い、時間が経ってもへたらない様に粉は多め、水は少なめにして、衣は薄くするように揚げているという。そして、そばを出す時は、“真心を込めて”作ることを一番注意しているという。
「冷やしモロヘイヤ天そば」も追加
若大将と話していると、背後に季節物の「エジプト原産 モロヘイヤ天」の張り紙を発見して、スイッチが入ってしまった。さらに、「冷やしモロヘイヤ天そば」(450円)を追加発注。初めて食べるモロヘイヤ天はサクッとした食感で、天種としてはかなり秀逸である。これはいいアイデアだ。別の日に食べた「冷やしにんじん天そば」、温かい「モロヘイヤ天そば」も絶品だった。
「10月の消費税10%で値上げは?」
最後に10月の消費税10%の対応を聞いてみると、「かつお節とイカの高騰で一度値上げをしたので、しばらくはこのままの値段で行きます」との力強い言葉をいただいた。
久しぶりの「鈴しげ」を堪能し、店を後にした。
「鈴しげ」の後味は最高だ。清潔感あふれる店。天ぷらの秀逸さ、つゆのうまさ、麺・天ぷら・つゆのバランスの良さ、すべてが決して重くなく丁度よい。「大人のおやつ」として食べるのにピッタリという感じである。改めて「鈴しげ」に感心しきりとなったわけである。
亀有と「鈴しげ」。明るい下町の名コンビといったところだろうか。また食べに来ようと思う。南口の商店街に香るうなぎのかば焼きのにおいに鼻腔をくすぐられながら帰路に着いた。
写真=坂崎仁紀
INFORMATION
鈴しげ
住所 東京都葛飾区亀有5-44-5
営業時間 6:00~20:00
定休日 火曜日