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「アクアパッツァ」ってなんだろう? と思いながら

岡山 渋井さんはグルメで料理上手という設定だったので、撮影に乗じて食べたことのないものも食べられました。

光石 でも、僕自身は料理が全くできないんですよ。だから、「アクアパッツァ」ってなんだろう? と思いながら(笑)。あと、つくねじゃなくて、なんだっけ? 香辛料の……ネツネ?

渋谷 チャツネ?

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光石 そうそう。「チャツネ、チャツネ」ってセリフがあるんだけど、チャツネってなんだろう? と思いながら言ってました(笑)。ロケも、原作に忠実な場所にしようとしていたので、製作部はお店のセッティングとか、大変だったと思います。

 

渋谷 スタッフの方からは出てくるお店のことを相談されるくらいでした。「この店ではロケができないので、代わりにどの店がいいと思いますか?」とか。僕の絵だと、現実にある店というリアリティがあまりないかもしれないですけど(笑)、ちゃんと映像化してもらえた。僕はこのドラマに関して、原作との齟齬はほとんど感じなかったですね。

ベンガルさんがいらして、誰も僕の芝居を見てくれなくなりました

——漫画のほうが先行していたのに、ドラマを観てしまうと、光石さん以外の渋井直人が考えられなくなるように、漫画を読んでいてもドラマの映像を思い浮かべてしまいますね。

渋谷 脳内で変換しますよね。描いていてもそうです。描きながらも、光石さんの動きが入っちゃう。杉浦くんもそう。僕的には、モード内田とアレグリを出したものの、あのキャラをどう動かせばいいか、若干持て余していたんだけど、ベンガルさんと森川葵さんが演じているのを観て、動かし方がわかったので、最近はめっちゃ登場させています(笑)。

光石 ベンガルさん、ほんと面白かったよね。

岡山 面白かったですねえ。ベンガルさんがいらしてから、誰も僕の芝居を見てくれなくなりました。

会場 (爆笑)。

光石 「このコンピュータはお借りしたものだから、叩かないでくださいね。叩くなら、こっちの古いほうを叩いてください」とスタッフが説明するんですが、撮影が始まるとわけわかんなくなって(笑)。

岡山 全部バンバン叩いていたという……(笑)。

光石 ほんと笑いました。

 

とくに印象深いゲストは......

——毎回、ゲストの方も豪華でしたね。とくに印象深い方はどなたですか?

光石 一番衝撃的だったのは杉本哲太さんですね。最初の衣装合わせのとき、スタッフも緊張してたんです。なにせ『アウトレイジ』の方ですから。

渋谷 (笑)。

 

光石 そうしたら、杉本さんはそのまま強面でいらして。「まず、カツラだよ、カツラ! これかぶらないと話にならない」って、どこまで本気なのか、ふざけていらっしゃるのか(笑)。スタッフもわからないまま、撮影に入りましたね。僕はもうおかしくておかしくて。

渋谷 得部(杉本哲太)とニャオコ(三浦透子)の回は、僕もトップクラスに好きな回でした。

光石 得部が「ニャンキュー」と言うんですが、あれは杉本さんのアドリブです。ほかにも「◯◯ニャン」とたびたびおっしゃって、さすがに監督に「ニャン言い過ぎです」と言われた。でも、「ニャンキュー」は残してくださいと僕もお願いして採用されました。