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Q4. デモに参加しているのはどういう人たち?

――デモに参加するのはどういう人たちなんでしょうか?

A4. 抗議方法の違いから(1)和理非、(2)勇武派、(3)「群衆」の3パターンに分けて説明します。まず和理非は合法的で穏健な抗議をする市民で、前述のように子連れの人から老人まで普通にいる。ただ、傾向としては20~30代のホワイトカラーが比較的多そうな感じでしょうか。格好も、せいぜい黒シャツに一般向けのマスクをしているくらいです。

 数量的には和理非がいちばん多く、8月18日の合法デモでも170万人が集まりました。職場の事情からデモに行けない人もいるので、これに近い考えを持つ人はもっと多いでしょう。ビラを作ったりSNS上で情報発信をしたりする文宣(プロパガンダ)部隊も、おおむねこちらに含まれます。

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8月28日、警察側の捜査上の性暴力に反対する集会の会場で座り込みをおこなっていた和理非の女性たち。こうした冷静な抗議をおこなう人のほうが、人数の面でははるかに多い ©安田峰俊

(2)の勇武派ですが、これは警官隊との衝突を辞さない過激な人たちで、10~30代が中心。意外に女性も多いほか、小中学生も混じっています。実は勇武派もいろいろあり、大規模な衝突を観察すると、最前線で防衛したり火炎瓶を投げたりする人たちが数百人ほど、その後ろでウロウロしている人が数千~1万人くらいです。当然、前者のほうが服装が洗練されていて、動きもいい。

 ほかに、正面戦闘には加わらず、デモ隊が「親中的」とみなした公共物(地下鉄駅など)や店舗に対してゲリラ的に汚損・破壊・放火する遊撃部隊がいます。地下鉄のガラス破壊の様子を見ると、かなり壊し方がわかっている感じで、数人~10人で手分けして一気に破壊を進めている。

9月29日、銅鑼湾で催涙弾を打ち込まれながら戦う勇武派の青年。装備から見て、かなり「ガチ」な前線部隊だ ©安田峰俊

 また、厳密には勇武派には入りませんが、後方部隊として哨兵(偵察部隊)・物資部隊・救護部隊などが確認されています。詳しくはこの記事で書きましたが、SNSのTelegramを使って、少なくとも各部隊のレベルではかなり組織的に統制されているようです。前出の遊撃部隊も、破壊対象の選定や破壊方法の情報共有などを組織のなかでおこなっているのではないでしょうか。

――(3)の「群衆」というのは、聞き慣れない話ですが?