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「強欲経営」の企業風土を改善できるか?
実はこうした外国人はIS・IT部門だけではない。他の部署にもルノーや日産の海外法人から日本の本社に出向してきて、役員でもないのに役員並の待遇を受け、月の家賃が100万円を超えるところに住んでいる者もいるという。
別の日産幹部はこう語る。
「出向にもかかわらず、給料は日本の本社が支払い、1人当たりの総労務費が5000万円から1億円かかる」
彼らが成果を出しているなら問題はない。だが、成果を出さないまま2~3年で帰国するのが実態だ。その一方で、少し控えめでアピール力が低かったり、病欠明けの日本人の年収が約1000万円で福利厚生を含めた総労務費が2000万円程度でもすぐにリストラの対象になり、早期退職を促される。
日産の日本人社員らの士気が下がる大きな理由は、ゴーン氏が支配した約20年間、外国人の経営幹部とそれに媚びを売る一部の日本人経営者だけが莫大な利得を得る「強欲経営」の企業風土が日産に染み付いたからだ。
新社長になる内田氏や新COOのグプタ氏、新副COOの関氏ら経営陣はこうした体質を改めることから取り掛からなければならない。
「文藝春秋」11月号の「日産・西川前社長 重大疑惑はまだある」では、日産社内の実態に加え、事実上解任された西川氏にいまだ残る疑惑の詳細を報じ、「クーデター」によってゴーン氏を放逐した西川氏の「強欲」ぶりと、ゴーン氏と「同じ穴の狢」だった実態について詳述している。
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