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特集観る将棋、読む将棋

2019/10/31

――指していて楽しい将棋というのはありますか。

及川 ありますね。自分と価値観とか感覚が同じだと楽しい。だから、藤井聡太さんと指してみたい。緊張するんで、まあ、あまり大きくない舞台で。

――感性が似てられるんでしょうね。じゃあ一局指したあと、感想戦などでお話ししたら、仲良くなれそうですね。

及川 いや、それは恐れ多い……。

娘さんが将棋をやりたいと言ったら?

 棋士と女流棋士の夫婦にとって、もっとも聞かれる質問のひとつが「娘さんも女流棋士にしますか?」だという。上田さんは「本人が望めば」というスタンスのようだが、及川さんはどう考えているのだろうか。

及川 私も将棋教室をやっていて、いろんな子を見ていますけど、女の子って将棋にハマらない子がほとんどなんですよ。だから本人から「やりたい!」ということは、ないんじゃないかなと思っています。

 

――上田さんから見ても、将棋というのはやはり男性向きだと思いますか?

上田 将棋って、コツコツと積み上げなければいけないところがありますよね。この点において、感情の起伏が少ない男性のほうが適していると思います。だから脳とかじゃなく、ホルモン的に男性に向いているんじゃないでしょうか。

才能を受け継いでいるのかは見てみたい

及川 たとえば競技人口が男女で同じになれば、突出して強い女性は出るでしょう。でも男女を平均してみて、同じ強さになるとは思えないですね。将棋って、ちょっと戦いというか争いごとなので、やっぱり男性に向いていると思います。でも、娘たちがどれだけ才能を受け継いでいるのかは見てみたいですね。どうせやるなら早いうちにやってもらって、どれくらい強くなるか興味があります。

上田 でもまだ3歳ですよ。ようやく駒を並べられるようになったくらいで、ルールもわかっていませんから、まだ少し気が早いですね。

 以前、上田さんがなんとも微笑ましいパパと娘の様子をツイートしていた。

「最後まで聞いたらお菓子あげるよ」
「わかった」
~2手指す~
「もう終わった?」
「いやあと50回くらい」

 この娘さんがいつか将棋に興味を持ち、どれくらい強くなるのか――。観る将としては、こんなところも楽しみだ。

 及川六段は、現在、叡王戦において本戦トーナメントに駒を進めている。ネット中継もある叡王戦の本戦は、きっと上田さんも自宅で「間違えないで」と見守っていることだろう。そんなことも想像しながら、初戦となる久保利明九段戦を楽しみにしたい。

写真=深野未季/文藝春秋

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