藤沢駅の改札を出ると、すぐ目の前に南北に貫通する地下通路がある。
昭和40(1965)年以前、ここには開かずの踏切があって社会問題になっていた。地下通路ができて、南北の往来が楽になり、市民から便利になったと大変喜ばれたそうだ。
その4年後の昭和44(1969)年、この地下通路の一角に、立ち食いそば屋「新月」が開業した。自分が中学生だった昭和47~49年頃、「新月」に行ってそばを食べていた記憶がある。大変懐かしい店である。
3年ぶりに「新月」を訪問してみた。
南口から地下通路に入る。そのまま少し進んで通路を右に曲がると、すし屋などがある名店街があり、その奥の場所で「新月」は元気に営業していた。
今の店舗は富士ビルの地下の名店街にあるのだが、以前はその先のビックカメラ(元は丸井)の入っているビルの地下通路で営業していた。非常に狭いカウンターだけの店であった。
土曜の午前から賑やかな雰囲気
今の店は椅子席もあり、だいぶ広くなった。
入口には紺色の暖簾、そして、移転する前の店からのものだと思うが、「自家製麺 立喰いそば 新月」と屋号の看板が輝いていた。
訪問したのは11月に入った最初の土曜の午前11時過ぎだったが、学生さんや常連のお客さんが来店していて、人気なことがうかがえる。
「新月」は女将さんと息子さんと従業員の方で切り盛りしている。
女将さんは以前、移転する前の元丸井近くの狭い店で働いていたそうで、平成16(2004)年に先代社長から店を引き継いで、今に至っているという。