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海と里山の自然で「住みよさランキング」全国9位

 魚津市は、富山県内10市のうち、7番目の人口。2019年10月1日現在では4万1814人(男性2万328人、女性2万1486人)、世帯数は1万7021。10年前と比べると人口は約3500人減少した。

 ただ、魚津市は、東洋経済の「都市データバンク」編集部による調査「住みよさランキング2019」では全国9位の評価を得ている。魅力の一つは海と里山の自然だ。小菅沼・ヤギの杜も、そんな楽しみを感じることができる場所だろうか。

 そんな中で、魚津市は移住に力を入れ始めている。片貝地区に移住者向けのお試し体験施設「片貝来られハウス」が、今年の4月、オープンした。川沿いにある空き家を改装したもので、玄関には寒さ対策で「風除室」があり、和室が2部屋、ほかにキッチン、バス、トイレがある。冷蔵庫や洗濯機、食器は常備されている。利用料金は1日2000円(中学生以下は半額)。

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今年4月にオープンした「片貝来られハウス」

「ホームページで募集をしただけですが、すでに17人が利用しています。このうち、少なくとも1人が移住を決めてすでに魚津に住んでいます」(市担当者)

 今後も移住を検討している人を中心に利用を見込んでいる。

観光客の増加を期待する声も

 ただ、富山県自体が移住・定住のイメージは高いわけではない。ブランド総合研究所が行った「定住意欲度ランキング」(2019年)では富山県は30位。ただ、移住相談件数では全国6位という数字もある。活性化のためには、ますます地域の魅力をアピールしていく場面が増えるだろう。

ヤギは人にも慣れている

 また、観光県のイメージでもない。観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2018年のデータでは、都道府県別延べ宿泊者数は378万人で全国40位。人口10万人あたりでみると、35万5000人で31位と、低い。

 しかし、2015年には北陸新幹線が金沢まで開通した。観光客の増加を期待する声も聞こえる。魚津市は、県内で富山市、高岡市についで、3番目に客室数が多く、キャパシティは大きい。市内は映画「羊の木」(2018年)のロケ地にもなったが、山と海が近い魚津市には観光資源が豊富にある。

#2へ続く)

取材協力=片貝地域振興会
写真=山元茂樹/文藝春秋