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渡辺明三冠が棋王戦挑戦者争いよりも気にしていた(?)「すみっコぐらし」とは

渡辺明三冠が棋王戦挑戦者争いよりも気にしていた(?)「すみっコぐらし」とは

先週の将棋界を読み解く

2019/12/25
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1週間の各棋戦を振り返る

 ここからは12月16日(月)から12月22日(日)までの各棋戦を振り返る。詳しくは日本将棋連盟サイト棋戦一覧(https://www.shogi.or.jp/match/)を参照。

 第33期竜王戦はランキング戦が始まったばかり。12月20日の1組、渡辺明三冠-佐藤和俊七段戦は佐藤和七段の勝ち。ここまで27勝4敗(0.871)と過去の年度最高勝率(0.855 中原誠)を超えるペースで勝っていた渡辺明にブレーキ。

 同じく20日には6組の池永天志四段-石川優太四段戦、青野照市九段-渡辺和史四段戦が行われた。竜王戦初参加の石川優、渡辺和は最終盤までギリギリの戦いをしたが、いずれも惜敗となった。

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今期はここまで向かうところ敵なしの渡辺三冠だったが…… ©文藝春秋

 第78期名人戦・順位戦。12月19日のA級、木村一基王位-佐藤天彦九段戦は、相掛かりで佐藤天九段の勝ち。両者2勝4敗となった。

 同日のB級1組10回戦は首位の菅井竜也七段が9勝1敗と順調。2番手に7勝2敗の斎藤慎太郎七段。

 十七世名人資格を保持する谷川浩司九段は2勝8敗で危地に立たされている。A級への昇級、B級2組への降級はともに2名。

 12月18日のB級2組8回戦は、丸山忠久九段が連勝をのばし7戦全勝で首位。1敗に横山泰明七段、近藤誠也六段、鈴木大介九段が続く。9回戦には横山-近藤誠の直接対決がある。なお鈴木九段は勝ち越しを決め、規定により降級点を消している。

王位戦では、藤井聡太七段がリーグ入りまであと1勝

 第5期叡王戦は本戦トーナメントの2回戦が進行中。12月16日に真田圭一八段-斎藤慎太郎七段戦、20日に久保利明九段-佐々木大地五段戦、22日に佐藤康光九段-青嶋未来五段戦が行われ、斎藤、佐々木大、青嶋が勝ち進んだ。

叡王戦の本戦トーナメントは、続々とベスト8が出揃いつつある

 第61期王位戦は予選が進行中。高橋道雄九段、鈴木大九段、藤井聡太七段、阿部健治郎七段らがリーグ入りまであと1勝に迫った。

 第68期王座戦は一次予選が進行している。今期11勝6敗とフリークラス脱出に向けて好調だった伊奈祐介七段は、高野智史五段に敗れて足踏みとなった。

 第45期棋王戦は12月16日に佐々木大五段-本田奎四段による挑戦者決定二番勝負第1局があり、敗者復活戦から勝ち上がった佐々木大が勝利。12月27日に行われる第2局の勝者が、渡辺棋王への挑戦権を得る。第46期の予選も始まっており、井出隼平四段が第31期棋王の森内俊之九段を破る殊勲の星を挙げている。

年明けの1月12、13日に王将戦七番勝負が始まる

 第69期大阪王将杯王将戦は、渡辺明王将と広瀬章人八段による七番勝負が迫ってきた。第1局は年明けの1月12、13日に静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」で行われる。立ち会いの中村修九段、副立ち会いの神谷広志八段による昭和55年組コンビの活躍にも注目したい。

 第91期ヒューリック杯棋聖戦は一次、二次予選が進行中。二次予選決勝まで勝ち進んでいる藤井聡七段は、澤田真吾六段と決勝トーナメント進出を懸けて戦うことになっている。

 第13回朝日杯将棋オープン戦は12月19日の二次予選に羽生善治九段が登場。三枚堂達也七段には勝利したものの、屋敷伸之九段に負けて予選敗退。残る本戦出場者は、12月26日に行われる木村王位-千葉幸生七段戦、阿久津主税八段-村中秀史七段戦の勝者同士の対決により決まる。

 第28期銀河戦は本戦トーナメントの3回戦が進んでいる。最多勝ち抜き者と最終勝ち抜き者が決勝トーナメントに進出する本棋戦。Cブロックの出口若武四段3人抜きが目につくところ。CSの囲碁・将棋チャンネルにて毎週火曜と木曜に20時から放映している。