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創作早口言葉・その2
北九州市産キュウリの需給状況を至急緊急調査せよ

 しかしこうして見ると、「キュウリ」がやっぱり休憩ポイントになってしまっている感がある。ここにフックが欲しい。この早口言葉に挑戦しようという人をもっともっと痛めつけてやりたい。キュウリのアクセントは「キュウリ」だが、母音構造が似ていながら頭にアクセントが来ない単語をここに並列させてみると、さらに発音難易度は上がりそうだ。どうしてもどちらかのアクセントに引きずられてしまうはずだ。

 しかし「uui」の母音構造を持っていて頭にアクセントが来ない単語というのが、なかなか思いつかない。「ウルシ」「スズキ」「古着」「夕陽」など考えてみたが、しっくりこない。農産物ではないからだろうか。あまり「uui」の母音構造にとらわれないほうがいいのかもしれない。キュウリと同じ音数で、頭にアクセントが来ない農産物……うーん……ショウガ。ショウガはどうだろう。母音は「ooa」だからキュウリとは全く違うけれど、お尻にアクセントが付く単語だ。「北九州市産キュウリとショウガの需給状況を至急緊急調査せよ」。キュウリとショウガのアクセント位置の違いで戸惑わせるもくろみだったが、まだまだ完成度が足りない。お尻にアクセントの来る単語のほうがレアなのだから、そっちを先にしたら戸惑わせる効果は大きいのではないか。「キュウリとショウ」という谷型のアクセント構造より、「ショウキュウリ」という山型のアクセント構造のほうが、日本語としては不自然なうねりがあって、より言いづらくなるはずだ。そんなわけで、創作早口言葉、ひとつ完成!

創作早口言葉・その3
北九州市産ショウガとキュウリの需給状況を至急緊急調査せよ

 早口言葉を自分で作ってみるという行為で気付かされるのは、日本語は口語と文語が相当分かれてしまっている言語で、声に出して読むことを前提としていない言葉がたくさんあるのだということ。そして、「アクセントのない言語」と言われがちな日本語にだって実はちゃんと豊富に抑揚があって、アクセントの違い一つで言いやすくなったり言いづらくなったりするというのが十分に起こりうるのだということだ。早口言葉は世界中どこにでもある言葉遊びだけれど、それぞれの言語によって個性がある。日本語の場合は、漢語を含めた外来語が非常に多いことが「言いづらさ」に個性を与えているようだ。

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 それでは最後に、私が考えた創作早口言葉をいくつか紹介して今回はおしまいにしたいと思います。三回声に出して読み終えるまで、このページを閉じることはできませんよ。

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