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ルワンダの中国人材に祖母を紹介される

山谷 中国の知識を持って第三国に行くと、ディープなものを簡単に掘れるのがいいですね。バンコク支局やナイロビ支局に常駐して英語で取材している特派員の記者よりも、中国絡みの情報に限ればもっと深いものを拾えてしまう。中国国内では、もともと95%の情報量が97%になるだけだけど、第三国で中国を入り口に取材すると0%が65%ぐらいになるから、快感の度合いが大きい。

ガテン系中国人がシアヌークビルにやってきて働き、食べて飲んで打つ

安田 それはかなりありますね。あと、現地の中国語人材を取材したり、通訳(現地語⇔中国語の通訳)にすると面白いことが多いんです。過去にルワンダとベトナムで試してみたんですが、彼らは普段は中国人相手の通訳をやっているので、当該国と中国との現場レベルの情報がバンバン入ってくる。

 日本語や英語の通訳だとビジネス的な浅い人間関係で終わりますが、中国語を学んだ外国人同士だと、若いころの留学生寮の仲間みたいな同胞意識が生まれて、もっと深く仲良くなれるわけです。例えばルワンダだと、田舎の実家に招待されてばあちゃんを紹介してもらったりとか。

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山谷 面白いですね。日本語の通訳よりも安いはずだし、僕も今度やってみよう。でも、なんでそれに気づいたんですか?

安田 2016年にイスラエル取材に行ったときに、中国で博士号を取って現地の投資コンサルで働いているユダヤ人の女性と友達になったんです。エルサレムの喫茶店で、日本の神風特攻隊とパレスチナ人の自爆テロの違いを議論していたらめっちゃ盛り上がって。彼ら彼女らとしては、中国人とほぼ同じ顔で中国語でコミュニケーションができるのに、中国人とは異なる考え方をする日本人は興味深い存在になるんですよね。

日本に上陸したシャオミの戦略はアリか?

安田 2019年の日本国内の中国ITニュースですと、比較的大きいのは12月のシャオミ(Xiaomi)の参入でしょうか。シャオミは中国のスマホ大手で、世界シェア4位とされています。

山谷 はい。中国国内のスマホ市場は頭打ちでヤバいので各国に進出していくなかで、ついに日本にもやってきました。ただ、日本ではハイエンド製品を中心に展開していく方針みたいなんですが、日本市場の一般ユーザーが中国系のスマホに求めるニーズを読み違えてないですかね。

ハイエンドVRマシンを老若男女が遊ぶのが中国

安田 中国系メーカーのハイエンド製品は充分なクオリティだと思いますが、日本の場合はアジア系のメーカーに対して一種の偏見がありますからね。サムスンのギャラクシーですら、携帯ショップで「韓国系という点が気にならなければ、すごくいい携帯です」みたいな説明をされたことがあります。

山谷 それはありますねえ……。あと、もしかしたら日本のガジェットマニアが中国詣(もうで)をしたときに、シャオミのハイエンドを買って「すげえ」とSNSでつぶやいているのも影響していたりして。でも一般ユーザーとマニアの好みは違うわけで、シャオミはそこわかってるのかなあ。