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中国人はカンボジアではっちゃける

山谷 わかります。他の国で中国を追っかけるのが楽しいんですよね。僕は去年の10月にカンボジアのシアヌークビルに取材に行ったんですが、かなりワクワクしました(『中国人の「ギャンブル」「詐欺」産業が集中するカンボジアのシアヌークビルに潜入した』を参照)。かなりアナーキーな場所で、中国人が数十人~数百人単位で捕まるニュースがばんばんあるんですよ。

 ネットカジノの運営をやらないかと中国国内で人を騙して集めて、カンボジアに着いたらパスポートを取り上げてタコ部屋に軟禁して強制労働とか。あと、カンボジア政府は中国からの援助……という名の借款漬けになっています。

安田 借款といえばケニアもやばいんですよ。国家予算の3分の1になる98億ドルも中国から借款を抱えて、中国国鉄と同じ車両が走るSGRっていう新鉄道を建設したんですが、その2本目の路線は野生動物保護区の国立公園をブチ抜いています。どうやらケニア政府の役人が中国のワイロ漬けになり、線路を通しちゃいけない場所への建設計画にゴーを出したみたいなんですよね。

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 最近の中国人は自国ではお行儀よくしなくてはいけないのですが、ガバナンスがユルい国に行くとハジけるんです。世界の発展途上国の中国人たちは、社会がユルくてギラギラしていた胡錦濤時代(2003~2013年)のノリで動いている。まあ、日本でも500ドットコムが自民党議員にワイロを渡してハジけちゃってましたが……。

ナイロビ国立公園を貫通する中華鉄道SGRの新線。キリンさんが好きです、でも中国はもっと好きです

山谷 シアヌークビルもほんと胡錦濤時代の中国そのまま。10年前の中国内陸の地方都市っぽかったですよ。でも、スマホ決済のWeChat Payとアリペイはどこでも使えた。中国国内のフードデリバリーアプリの「美団」は使えなかったけど、在シアヌークビル中国人の地場の出前アプリ「西港招牌」「微西港」があって、店の人がバイクでホテルまで料理を届けてくれる。ちなみに西港というのは、シアヌークビルの中国語地名です。

安田 あ、カナダにもそれありました。「飯団外売」という地場の中国系出前アプリで、バンクーバーやオタワ、トロント、モントリオールなんかの中国人が多い街をカバーしています。中国国内でスマホでの出前注文に慣れちゃうと、それがない生活はキツい。需要が生まれるんでしょう。