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東憲司が演出する“忠臣蔵” 注目すべきは“犬”

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東憲司

 劇団桟敷童子を主宰する東憲司さんが、こまつ座「イヌの仇討」を演出する。初演より29年ぶりの上演だ。

「山形の遅筆堂文庫で井上先生の蔵書を拝見し、台詞の背後にある膨大な読書量に圧倒されました。先生は凄い江戸学者にして日本語の博士。僕は演出において、疑問や迷いがおこる度に先生の台本に立ち返るように心がけています」

 本作は、邸に赤穂浪士に侵入され、隠し物置に逃れた吉良上野介陣営の2時間を描く。

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「四十七士が、声が聞こえてくるのみで、舞台に登場しない忠臣蔵なんて前代未聞です」

 逃れられそうもない死を前にして、主役・吉良は、会ったこともない復讐者・大石内蔵助がなぜ自分を討つのか、必死に考える。家来や女中、側室や飛び入りの盗人とやり取りをする中で、やがてある真実に辿り着き、その時、大石は一種の“同志”となる。

「当時は“生類憐れみの令”の時代で、吉良の隠し物置にも綱吉の元愛玩犬が“お犬さま”と呼ばれ鎮座している。初演時はラジコン犬でしたが、僕は“生身”にこだわりたかった。でもさすがに本物を出すわけにはいかない」

 東さんが“犬”をどう演出するかは、観てのお楽しみ!

INFORMATION

『イヌの仇討』
7月5日〜 新宿・紀伊國屋サザンシアター他 問合せ TEL 03-3862-5941
http://www.komatsuza.co.jp/

東憲司が演出する“忠臣蔵” 注目すべきは“犬”

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