「あの手が悪かったんじゃないの?」といわれると……
このように「棋士一家」というイメージからすれば、意外なほどに将棋の研究をするわけではないという。それは彼女が対局を終えてからの行動にも現れている。
――塚田さんの対局は、家族で見守ってくれていますか。
塚田 そうですね。棋譜中継があるときは、見てくれているみたいで、母は「見ているとドキドキする」そうです。
――対局が終われば、家に帰って食事をしながら、その将棋について話したりするわけですか。
塚田 しないですね。ちょっと冷ましてから家に帰るようにしています。
――冷ます?
塚田 ええ(笑)。家で母親から「あの手が悪かったんじゃないの?」といわれると私もヒートアップしてしまうので。
――ひとりカフェでお茶したりとか……。
塚田 ひとりでいると反省することが多く気分が落ちるので、お世話になっている将棋センターにおしゃべりしに行くことにしています。あとはショッピングに行くこともありますね。ただ判断力が鈍っているので、買いすぎに注意なんですが。
――それは、勝っても負けても?
塚田 そうですね。家族といると、言い合いになったりするので……。
「父の趣味……お酒が好きすぎて心配です(笑)」
自身の将棋についてだと、つい「言い合いになる」と話す塚田女流初段。ただ、お父さん、お母さんともに、とても優しい存在だと口にする。
――どんなお父さんですか。
塚田 あまり怒ったりもしない優しい父です。基本的には放任主義で、将棋のこともあまり話しませんが、いつも心配してくれているんだなと感じます。会社員ではないので、他とくらべたら家にいる時間が多い父親でしたが、私はこの家庭しか知らないので……。そこは自分にとっては普通ですね。
――どんなお母さんですか。
塚田 母は、いろいろアドバイスしてくれますね。身の回りのことなどの指摘も、いつも正しいなと思いながら聞いています。将棋のことでいえば、時間の使い方とか、解説の聞き手の仕事で大切なことなど、教えてもらって助かっています。
母である高群女流四段は、将棋連盟の免状を書く仕事を請け負うほどの書道の腕前だという。ちなみに趣味は旅行。一方、父である塚田泰明九段は「父の趣味……お酒ですかね。お酒が好きすぎて心配です(笑)」だそうだ。
今日はみんなお仕事でした☺︎
— 塚田恵梨花 (@erika_hana_) March 10, 2019
母はあとから合流←
焼き鳥屋さんで打ち上げしました✨
明日はニコ生です!是非見てください💕 pic.twitter.com/xl7NV8TflF
――お父さんとは一緒に飲みますか?
塚田 ごくたまに仕事先などで飲むことはありますが、家では一緒に飲まないようにしています。
――それはどうして?
塚田 一緒に飲むと嬉しくなってたくさん飲みそうなので(笑)。
――なるほど(笑)。お母さんは飲みますか?
塚田 母は好きみたいですが、それほどは飲めないですね。