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特集観る将棋、読む将棋

2020/03/13

「あの手が悪かったんじゃないの?」といわれると……

 このように「棋士一家」というイメージからすれば、意外なほどに将棋の研究をするわけではないという。それは彼女が対局を終えてからの行動にも現れている。

――塚田さんの対局は、家族で見守ってくれていますか。

塚田 そうですね。棋譜中継があるときは、見てくれているみたいで、母は「見ているとドキドキする」そうです。

――対局が終われば、家に帰って食事をしながら、その将棋について話したりするわけですか。

塚田 しないですね。ちょっと冷ましてから家に帰るようにしています。

 

――冷ます?

塚田 ええ(笑)。家で母親から「あの手が悪かったんじゃないの?」といわれると私もヒートアップしてしまうので。

――ひとりカフェでお茶したりとか……。

塚田 ひとりでいると反省することが多く気分が落ちるので、お世話になっている将棋センターにおしゃべりしに行くことにしています。あとはショッピングに行くこともありますね。ただ判断力が鈍っているので、買いすぎに注意なんですが。

――それは、勝っても負けても?

塚田 そうですね。家族といると、言い合いになったりするので……。

「父の趣味……お酒が好きすぎて心配です(笑)」

 自身の将棋についてだと、つい「言い合いになる」と話す塚田女流初段。ただ、お父さん、お母さんともに、とても優しい存在だと口にする。

――どんなお父さんですか。

塚田 あまり怒ったりもしない優しい父です。基本的には放任主義で、将棋のこともあまり話しませんが、いつも心配してくれているんだなと感じます。会社員ではないので、他とくらべたら家にいる時間が多い父親でしたが、私はこの家庭しか知らないので……。そこは自分にとっては普通ですね。

 

――どんなお母さんですか。

塚田 母は、いろいろアドバイスしてくれますね。身の回りのことなどの指摘も、いつも正しいなと思いながら聞いています。将棋のことでいえば、時間の使い方とか、解説の聞き手の仕事で大切なことなど、教えてもらって助かっています。

 母である高群女流四段は、将棋連盟の免状を書く仕事を請け負うほどの書道の腕前だという。ちなみに趣味は旅行。一方、父である塚田泰明九段は「父の趣味……お酒ですかね。お酒が好きすぎて心配です(笑)」だそうだ。

塚田家のひとコマ(塚田恵梨花女流初段のTwitterより)

――お父さんとは一緒に飲みますか?

塚田 ごくたまに仕事先などで飲むことはありますが、家では一緒に飲まないようにしています。

――それはどうして?

塚田 一緒に飲むと嬉しくなってたくさん飲みそうなので(笑)。

――なるほど(笑)。お母さんは飲みますか?

塚田 母は好きみたいですが、それほどは飲めないですね。