史上最高と言われる2019年のM-1。なぜあれほどの“神回”になったのか。出場した漫才師の連続インタビューでその答えに迫っていく。
唯一の20代コンビとして高得点を出し、「初々しい」「フレッシュ」と褒められたからし蓮根。しかし審査コメント中にあの“事件”は起きる……。(全3回の2回目/#1、#3へ)
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――昨年優勝した「ytv漫才新人賞」の決定戦でも1本目で「教習所」をかけて、2本目のネタは「キャビンアテンダント」でした。M-1でも、その順序の予定だったのですね。
伊織 はい。でもオール巨人師匠には終わった後、「キャビンアテンダント」のほうが好きやった、あっちを1本目でして欲しかったなー、と言われました。
――ネタの順番はけっこう迷ったのですか。
青空 迷いましたね。
伊織 勢いがつくのは「教習所」やろなと思っていたんですけど、ボケの多彩さでいえば「キャビンアテンダント」かなと思っていたんです。
青空 コンスタントに笑いを取れますからね。でも全国放送で1発目、インパクトを残そうと思ったら、やっぱり「教習所」かなと思ったんですよね。
車にはねられてド派手に膝をつくシーン
――青空さんが伊織さんの車にはねられてド派手に膝をつくシーンがM-1でもひとつのハイライトでした。あのシーンだけで、その目的は達せられたのでは。
伊織 正直、あのネタってあそこなので。
青空 あれがやりたいだけなんです。
――言葉のおもしろさではなく、あそこは絵をイメージすればするほど笑いが止まらなくなるんですよね。
青空 初めて見つけた境地でした。
――ytvのときはあのシーンで会場が大爆発して、さながらウイニングロードのようでした。
青空 あそこが決まると最高に気持ちいいんです。
――そこにたどり着くまでに、どれだけお客さんをつかめているかが大事ですよね。
青空 そうなんです。そのために全部、間とかも考えてるんで。言うたら、全部助走でいい。そこまでは淡々とやろうと思っていたのですが、変にウケちゃったりしていて。そのへんもちぐはぐでしたね。
――青空さんのツッコミも、いつもより優しく感じられました。