史上最高と言われる2019年のM-1。なぜあれほどの“神回”になったのか。出場した漫才師の連続インタビューでその答えに迫っていく。

 唯一の20代コンビとして「初々しい」「フレッシュ」と褒められたからし蓮根。しかし審査コメント中に上沼恵美子の“和牛説教事件”が起きる。当日の夜、ツッコミの杉本青空は和牛の水田信二と打ち上げにいくことになった……。(全3回の3回目/#1#2へ)

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“説教”直後、和牛はどんな顔をしていた?

――得点が3位だったので、ネタ後、暫定2位の和牛の隣の席に座ることになったわけですが、和牛さんの顔を見られましたか? 審査員の上沼さんが、からし蓮根をあれだけ褒めちぎり、和牛をあれだけ説教した直後で。

伊織 いや、もう、ぜんぜん優しい感じでしたよ。

――さすがですね。

青空 僕らが舞台裏に引いたあと、すぐに司会の今田(耕司)さんも後ろに来てくれて。和牛さんに「めっちゃおもろいことになったなあ」と。和牛さんも、ちょっと戸惑いつつ、でも笑いながら「なんやったんですかね」みたいな。そういうやりとりも含めて、いやあ、おもしろかったです。

からし蓮根の伊織(左、ボケ担当)と杉本青空(ツッコミ担当)

――直後、6番手の見取り図に得点を抜かれ、3位から4位に転落。楽屋に戻ってからは、他のコンビのネタを見られましたか。

青空 普通に楽しく見てました。

伊織 気分的にすごい楽になりましたから。みんなでミルクボーイさん、すげえって。

青空 お客さんと同じぐらい笑ってましたね。

 

――予選のときも他のコンビのネタは見てたんですか。

青空 いや、見てないです。

――見たくない?

伊織 聞きたくなかった。笑い声を。

青空 ウケてたら、やっぱり嫌ですもん。決勝は大会自体が終わりだから見られましたけど。

――ラスト出番のぺこぱのネタはどうでしたか?