伊織 いや、そうなんです。
青空 売れたいとか、いずれテレビでレギュラーを持ちたいとかは一緒なんです。ただ、そこに至る道筋がちょっと違った。なので、M-1決勝の舞台に立つ直前、「あんま東京行きたくないんやろ」みたいなことは言いましたね。ちっちゃい声で。
伊織 トップバッターの笑神籤をまさにこれから引きますというところで急に言われたんだよな。
青空 笑っとったよな。
伊織 ここで言うか、と。
青空 場違いなぶん、緊張が和らぐ気がして。
――そこのギャップは、今はもう解消されたのですか。
伊織 今は行くつもりでいます。
青空 優勝して、行く感じです。
「霜降り明星粗品さんの記録を更新するはずだった」
――今年で結成8年目。まだ、いくらでもチャンスはありますね。
伊織 今大会で優勝してたら霜降り明星の粗品さんの最年少記録を1カ月ぐらい更新するはずだったんですよね。
――霜降り明星は一昨年、あの若さで優勝する気満々でした。
伊織 すごかったです。
青空 めっちゃいい状態でしたね。
――でも、改めて、M-1決勝の場で、普段通りの力を出すことが、こんなにも難しいんだということがよくわかりました。
青空 今にして思えば、東京進出の話は解決しておくべきでしたね。もっと早く話し合っておけばよかった。霜降りさんの2人の絆は、すごかったですもん。
(【前編】霜降り明星の“記録更新”ならず 「どーもー、からし蓮根です」の「ど」でわかったM-1の厳しさ を読む)
写真=山元茂樹/文藝春秋
からし蓮根/杉本青空(ツッコミ担当)と伊織(ボケ担当)のコンビ。青空は1994年2月2日熊本県出身。伊織は1993年9月12日熊本県出身。九州学院高校(熊本市)の同級生で、大阪NSC(35期)へ。2013年結成。2019年ytv漫才新人賞優勝。
M-1では15年、16年に準々決勝進出、17年、18年に準決勝進出。19年に初の決勝進出で6位に。