「選手から不満という意見は無い」驚きの報告書
「その後にナショナルコーチたちが来て、直接選手と話をしましたが、そこは、かみ合わなかった。コーチたちは『だから、回答書に書いたじゃないか!』というような会話になってしまう。選手たちも『もう無理です、あのコーチたちと一緒にやっていけない』と。でも帰りがてら『美穂さん、やっぱり安藤さんと話してよかったです、協会の中に自分たちの言うことを理解して下さる人たちがいてくれることが分かって嬉しかった』といって帰ったんです」
選手のヒアリングを行った安藤専務理事は、日本協会のゴタゴタについて調査に乗り出しているWT(ワールドテコンドー)に報告することになっていた。ところが、なぜか安藤はWTに対して「選手から意見書の回答内容に不満という意見は無い」と報告してしまうのだ。
「WTへの報告書は金原さんと一緒に作られたそうなんですが……守秘義務を守る、非公開にするからと信頼して、選手たちが言ったことまで書かれてしまっていたんです。読んでもう愕然としたんですよ。おかしいでしょと。選手たちがあそこまで泣いて訴えかけて。
安藤さんも理解してくれて、じつはその後にもらったLINEでも守秘義務を守ると言っていたんです。かつてはテコンドー協会を正常化させなければいけない、選手の権利を守って、環境改善をしなければいけないとおっしゃっていた方でしたから本当に驚きました」
10月1日、選手と協会との溝を埋めるべく協議会が開催されたが、なんと強化選手6人中5人が途中退席する。このときのことは大きく報道されたから記憶に残っている人も多いかもしれない。そのひとり江畑秀範は「協会がWTに選手は回答に不満は無いと報告書を上げましたがそれは嘘です。僕は回答にさえなっていないと思っています」とメディアに明かした。