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岡本依子に「謝罪しろ」

「このあたりから報道が徐々に金原さんにスポットを当てるようになりはじめました。

 否決された2人を理事に戻すためには理事会を経ないといけない。そこで急遽、臨時理事会が開かれたんです。そこから、臨時総会で2人を戻すという手順なんですが、その臨時理事会では、要望書に署名をしていた理事と岡本副会長に対して『謝罪をしろ』という発言が出たんです。しかも岡本さんに対しては『名誉毀損だ。訴える』と恫喝があり、岡本さんが『したらいいじゃないですか』というようなやり取りがありました。『訴える』という表現はおかしいじゃないですかと、岡本さんがJOCのコンプライアンス窓口に訴えましたが、『まずは自助努力をして欲しい』と返されたそうです」

 

 結局、金原会長の宣言通り、一度否決された強化本部長は8月には理事として再任。小池もナショナルコーチとして留任された。高橋の出した意見書も正会員総会での決議も反故にされる。
(※文春オンラインの取材に対し、金原元会長はこの人事に関して「私ひとりの意向ということは有り得ない」「強化本部長はやめてもらったら困るという人が大半だった」「小池コーチは理事再任は見送り、強化のほうに専念してもらった」と回答。)

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28人中26人が合宿ボイコット……選手たちの反乱

 9月初めに代表合宿の招集がかかるが、強化体制の改善の動きが無いことに失望した選手たちは、呼ばれた28名中26名がこれをボイコットするという異常事態に陥った。

 合宿の開始は17日からだったが、ほとんどの選手が不参加のため中止になった。このとき「選手から直接話を聴きたい」と金原会長がコメント、一気にマスコミ報道も過熱することになる。

 そして6月末に期限を切っていた高橋の意見書の回答が協会HP上にようやくもたらされた。

「ただそれが結論も何もなく言葉が並べてあるだけで意見に対してYESかNOかも分からない回答だった。案の定、選手たちはそれを見たときにこれは全く答えになっていないと憤怒した。そこで私たちは安藤専務理事に直接話をしたいと伝えて来ました。

 安藤さんも僕は弁護士だから選手との話し合いでの守秘義務は守ると言って下さった。私はメダル候補の選手数名を連れて行き、1時間ほど安藤さんと会談しました。泣いている選手もいましたし、本音に触れた安藤さんも『君たちにそんな思いをさせていて申し訳ない』と言っていました」