気合が入ってモチベーションが上がるのは確か
――藤井七段より自分のほうが優れていると思う点はありますか?
近藤 自分は几帳面なA型なんです。一人暮らしの部屋はいつも片付いています。実家の母に掃除に来てもらうようなことはまったくないですよ。部屋の綺麗さでは多分僕のほうが上(笑)。いや、分からないですけど。
――現在、藤井七段との対戦成績は1勝4敗です。
近藤 順位戦での1勝は特に大きいと周りに言われます。でも、竜王戦は大きなところで2回負け。順位戦で勝った後、良い状態で臨めたのが竜王戦本戦トーナメントでしたが、うまく対応されて完敗でした。負け越しなので挽回していきたいです。
――藤井七段が終盤でミスをしないということは、序中盤でリードする必要があるということでしょうか? 朝日杯準決勝の千田翔太七段のような。
近藤 そうですね。序中盤でのリードが理想で、千田さんの将棋は本当に理想的だったと思います。僕には同じ勝ち方はできませんが。
――次に藤井七段と当たるときは、また徹底的に対策しますか?
近藤 うーん。藤井さんのときは対策して他の棋士は必要ないなんて言えません。でも、気合が入ってモチベーションが上がるのは確かです。
――藤井七段も今期B級2組に昇級しました。
近藤 B2では昇級候補だと思います。上のクラスでまた当たりたいですね。
1歳下の増田さんに抜かれたのはまずいと焦りました
――以前、同世代の棋士とは仲が良いとおっしゃっていたことがありました。近藤七段にとっての同世代は何歳差までですか?
近藤 歳が1、2歳違う人までですかね。
――2歳上には、佐々木勇気七段、千田七段、阿部光瑠六段がいますね。
近藤 いや、佐々木勇気さんは僕よりかなり早くプロになっています(四段昇段は、近藤七段の5年前)。仲は良いほうですが、同世代という感覚ではないかも。千田さんや阿部さんも、棋士としてのキャリアの長さが違うので同じように思います。うーん、やっぱり歳が近くて同時期に奨励会で戦った人が同世代という感覚ですかね。佐々木大地さん(五段)、梶浦さん(宏孝五段)、増田さん(康宏六段)あたりです。
――2歳上は16歳(佐々木七段、阿部六段)、18歳(千田七段)でプロになって、自分も若いうちにプロにという焦りはありませんでしたか?
近藤 それはなかったですが、1歳下の増田さんに抜かれたのはまずいと焦りましたね。年下に抜かれたのは初めてでした。増田さんは奨励会入会も僕の1年後です。奨励会でもよく当たりましたし、練習将棋も指しました。僕より1年先にプロになって、自分も続きたいと強く思いました。