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負けても、モチベーションを保つのが課題です

――近藤七段は、数少ない「通算勝率7割超え」棋士です。これについてはどう思いますか?

近藤 デビューしてから3年くらいは連敗が少なく勝率が高かったです。でも、2019年度は5連敗もしましたし、勝率も6割5分くらいと落ちました。連敗すると将棋から逃げたくなり、勉強時間が減ったこともありました。B1に上がると、シードが増えて相手も強くなる。負けても、モチベーションを保つのが課題です。

 

――将棋ソフトが強くなり、単純な強さならば棋士を超えていると言われる時代です。そういう時代で人間の棋士同士が将棋を指し、一生をかけて極めていくことの意味はどんなところにあるのでしょう。

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近藤 将棋でいうならソフトはずば抜けて強いけれど、今はそのソフトをどう使っていくかに変わってきています。将棋には指す人の個性が存分に出て、人間同士の戦いはやはり面白い。棋士の生きざまや、対局姿も見てほしいと思います。谷川(浩司)九段は強くて対局姿も美しく、子どもの頃から憧れの棋士でした。強くてカッコいいと棋士を観てもらうことが、ソフトにはない人間同士の対局の醍醐味のひとつでもあります。まだ遠いですが、そんな憧れてもらえる棋士に近づけたらいいなと思っています。

 

――近藤七段の姿に憧れる女性ファンも増えているような……。ファンにはどのように接していますか?

近藤 プレゼントやお手紙をいただくこともあり、とても嬉しいです。お返事はしていませんが、ネクタイをいただいたら、AbemaTVの解説や携帯中継が入る対局につけて行き「使ってます」と伝わるようにしています。プレゼントの中には、よく使うエースネクタイになっているものもありますね。バレンタインのチョコレートも、連盟に送っていただいたのをまとめて受け取りました。

――召し上がりましたか?

近藤 はい。嬉しいことです。他にもお菓子をいただくこともあり、食べています。

四段になってから見られることを意識して……

――ファッションも「おしゃれ」と言われて注目されています。

近藤 高級ブランドではなくH&Mでよく買います。今日着ているのは、インナーとジャケットがZARAで、ボトムスはH&Mです。スーツのこだわりはないですが、HILTONが多いです。今使っているメガネはRay-Banです。

――棋士仲間でファッションの話はしますか? また一緒に買い物したりはしますか?

近藤 ファッションの話は一度もしたことがありません。服を買うのは1人で行きます。月に1~2回です。

 

――ファッションにまったく興味がない方もいますものね。

近藤 いますねえ。自分も奨励会時代は興味がなく、四段になってから見られることを意識して、スーツやネクタイ、シャツをしっかり選ぶようになり、私服にも興味が出てきました。目立とうとは思っていませんけれど、おしゃれと言われるのは嬉しいです。

――クレリックシャツ(袖と襟が白く、身頃が柄や色のシャツ)がお好きとおっしゃっていました。シャツはどれくらいお持ちですか?

近藤 全部で30枚くらいあって、クローゼットはパンパンです(笑)。クレリックが18枚、白が5~6枚で、あとはカラーシャツです。デパートで買うことが多いです。