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「同じクリエーターの作品を追いかける」沼への扉が開かれた

 ちなみに、このアニメ「ホスト部」監督の五十嵐卓哉、シリーズ構成・脚本の榎戸洋司は、1997年に放送され、やはり「王子様とお姫様」という固定観念からの解放を企図したテーマを持ったアニメ「少女革命ウテナ」でも、五十嵐は脚本・絵コンテ・演出(風山十五名義)、榎戸はシリーズ構成・脚本を担当している。私は「ウテナ」、ひいては監督の幾原邦彦がこの世に生み出した作品たちも本当に好きなのだが、実は「ウテナ」を観ようと思ったのは、アニメ「ホスト部」に衝撃を受けたからだった。各話の出来があまりに良かった「ホスト部」の考察や感想をあさるうちに「めっちゃ榎戸節だったよね」「ウテナにもあった演出」といったネットの感想を見つけ、関心を持ったのだ。「脚本家や監督が一貫して持っているメッセージ性に感銘を受け、同じクリエーターの他の作品も追いかける」沼への扉を開いてくれたのも、「ホスト部」だった。

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「ホスト部のみんなともっと会いたいよ~!」となった方へ

 盛大に最終回のネタバレをしてしまったが、アニメ「ホスト部」は各回技巧が凝らされた、本当に素晴らしい作品で、オチを知っているかどうかに限らず楽しめる。私は「Amazon Primeビデオ」でレンタル課金して観返したが、「U-NEXT」では定額プランの範囲のようなので、ぜひ視聴してみてほしい。ちなみにここまで言及していなかったが、2011年に放送された川口春奈主演のドラマ版も、けっこう面白い。SNS炎上などのニュースを見かけることが多かったし、別にそのほかの出演作品を観ているわけではないのだけれども、なんとなく川口春奈さんを応援し続けているのは、あのドラマのよしみだ。

 そして原作はアニメとはさらに違ったエピソード、展開で大団円を迎えるので、ホスト部のみんなともっと会いたいよ~! となった方は、そちらにも手を出してほしい。全話無料対象ではないが、「マンガPark」でも、フリーコインを使うことで読めるようになっている。は~、この記事の原稿料が入ったら、全巻Kindleで買っちゃうか……。