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畠中 そうなんです。予選を通して全部ウケた後だったので、最初は「こんなにウケた後でどうなっちゃうんだろう」と思ってたんですけど、決勝は、また同じ状況だと思えて、逆にちょっと落ち着けました。

――空気感って微妙ですよね。よくお客さんを「起こす」っていうように、ネタ番組でもあえてマエセツで笑わせて、意図的に客席をあたためるじゃないですか。でも、反対にあたたまり過ぎてもいけないという。

畠中 正直、開き直っていました。ミルクボーイさんの点を超えるつもりで行かなきゃいけないんでしょうけど、なんかもう、たぶん……。

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伊藤 僕も思わず笑っちゃいました。今年は無理だな、と。お陰で、予選から通じて、いちばんリラックスしてできました。決勝まで来られたというのもありましたしね。自分らがつまらないわけない、と。おもしろくなきゃ来られない場所じゃないですか。

7番目ミルクボーイのあと、CMを挟んで8番目でネタを披露したオズワルド。M-1ではコンビが立つ中央にサンパチマイクが用意されている ©M-1グランプリ事務局

「ピンマイクを使わない」M-1のやりやすさ

――お客さんの雰囲気はどうでしたか。

伊藤 M-1って、漫才愛があるんだなって思いました。お客さんもそうだし。あとピンマイクを使わないじゃないですか。ネタ番組って、だいたいピンマイクを付けるんですけど、そうすると「ライブ」じゃなくて「収録」みたいな雰囲気になるんです。こちらも変に緊張してしまうというか。

――M-1はピンマイク付けないんですね。

伊藤 付けなかったです。サンパチ(マイク)に音を入れてくれていたので、いつものライブと同じような環境でできました。

畠中 ピンマイクなしでも、集音マイクかフットマイクがあるので、サンパチから離れても音は拾ってくれるんです。

伊藤 ずっとM-1を目指してやってきたんですけど、それは間違いじゃない場所だったんだなって確認できましたね。

 

「変態です」とろサーモン久保田のアドバイスとは?

――予選のお客さんと比べると、決勝のお客さんはちょっと違うとよく聞きます。予選の方がツウのお客さんが多い、と。

畠中 確かにその傾向はあったんですけど、決勝のお客さんも思ったよりライブに近いなと思ったんです。何回かネタ番組に出させてもらったとき、あれ、笑いどころがライブと違うな、みたいに思ったんです。スタッフさんの配慮で、よく笑ってくれるような環境になってるというか。でも僕らのようにライブがメインだと、そういう感じって、却ってやりにくいところもあって。でもM-1はそのズレがなかった。