――とろサーモンの久保田(かずのぶ)さんにいろいろアドバイスを受けていたという話がありましたが。
伊藤 細かなところです。ここのツッコミは、もっといい言葉があるんじゃないか、とか。
――これまでもそうして助言をもらうことはあったのですか。
伊藤 吉本の企画で、久保田さんが見てくれてダメ出しをする「漫才大学」というライブがあるんです。そこで見てもらったのが最初ですね。久保田さんは若手のネタを否定するような言い方は絶対しないんです。「今はこれがやりたいなら、もっとこうした方がええんちゃう」みたいな。
――久保田さんは後輩からすごく慕われていますよね。
畠中 だって、わざわざ久保田さんの方からLINEをくれたんですよ。ネタを見たいから、動画を送ってくれ、って。
伊藤 (お笑いの)変態です。バケモンです、あの人は。
「そんなところまで考えているのか」NON STYLE石田の指導
――NON STYLEの石田(明)さんからも指導を受けてるんですよね。
畠中 漫才大学で石田さんが講師として来てくれたことがありまして。「そんなところまで考えてやってるんだ」と思いました。フットマイクがあるからといって、センターマイクから離れてどこに行ってもいいわけじゃない、と。ちゃんとフットマイクの正面でしゃべらないと声がちっちゃくなって、ウケも小さくなるって言われました。どこの会場でもフットマイクの位置を意識しないとダメだと。
伊藤 お笑いって、本来は、“人に聞く”もんじゃないと思うんです。でもM-1だけは勝負の場ですから。経験者からどんどん話を聞いて、有効な戦い方があれば、なんでも取り入れていきたいんです。
(【続き】オズワルドが忘れられないM-1審査員ナイツ塙のひと言とは?「ミルクボーイと君たちの差は……」 を読む)
写真=山元茂樹/文藝春秋
オズワルド/畠中悠(ボケ担当)と伊藤俊介(ツッコミ担当)のコンビ。畠中は1987年12月7日北海道出身。伊藤は1989年8月8日千葉県出身。東京NSC17期の同期で2014年11月に結成。
M-1では15年、17年、18年に3回戦進出。19年に初の決勝進出で7位に。