シュウペイ 「これ、どうすんの?」って空気になってましたね。その後、敗者復活から上がってきた和牛さんがまた高得点(652点)を出して、さらに盛り上がって。「あれ、もうM-1終わり?」って。パッと横を見たらオズワルドと目が合って、互いに、うわ……みたいな。
「ミルクボーイさんは、噂で聞いていたので1位予想!」
――7組目のミルクボーイも舞台裏のモニターで観てたんですね。
シュウペイ はい、観てました。なんだろうな、今まで見てきた漫才の中で、いちばんおもしろいネタを見たという感じでしたね。うわっ、この人たちめちゃくちゃ面白いって。
――予選では見ていなかったのですか。
シュウペイ 予選は見てません。もったいないというか、決勝までとっておきたいなという気持ちがあって。いちファンとして、普通に楽しんでましたね。3連単予想とかもやってましたもん。
――どんな予想を立てたのですか。
シュウペイ ミルクボーイさんは、噂で聞いていたので1位。
松陰寺 おまえも出てるんだぞ!
――TAIGAさんのアドバイスがぜんぜん生かされてませんね。
シュウペイ 2位は、やっぱかまいたちさん。3位はインディアンスさんとかが来るのかなとか。ただ、敗者復活で和牛さんがあがってきたら、やっぱり怖い存在になるだろうなとも思っていました。
松陰寺 俺らは何番なの?
シュウペイ いや、いちファンとして客観的に観たら、ぺこぱはまだ新参者だから。何とも読めない。ただ、個人的には、この一角を自分たちが崩せたらおもしろくなるなとは思っていました。
――なるほど。松陰寺さんは、ミルクボーイが演じてるときはどこかへ行ってたのですか。
松陰寺 いや、見てましたね。いったい、何回爆発するんだろうと思って、びっくりしながら観てました。正直、これを超えるのは無理だなと。もう半分、あきらめてましたね。自分たちのネタの強いところも、弱いところも、もうわかっていましたから。両方のネタを比較したとき、こら、どうやっても勝てんな、と。
(【続き】“非吉本芸人”ぺこぱがM-1楽屋で感じたアウェイ感『隣のかまいたち濱家さんが怖くて……』 を読む)
写真=山元茂樹/文藝春秋
ぺこぱ/松陰寺太勇(ツッコミ担当)とシュウペイ(ボケ担当)のコンビ。松陰寺は1983年11月9日山口県出身。シュウペイは1987年7月16日神奈川県出身。アルバイト先の渋谷の居酒屋で出会い、2008年に結成。
2019年『ぐるナイ』の「おもしろ荘」で優勝。M-1では10年、16年3回戦、18年に準々決勝進出。19年に初の決勝進出で3位に。