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「これでまだ十代なのか」とびっくりさせられます

――将棋チャンネルで、これまでで最高の視聴数を記録したのは、29連勝のときですか。

塚本 1位が30連勝をかけて戦って佐々木勇気七段(当時五段)に敗れた竜王戦、2位が増田康宏六段(当時四段)に勝って29連勝を記録した竜王戦です。連勝がストップすると、やはり視聴数は落ちましたね。

谷井 現時点(7月15日)の今年の1位は7月9日の棋聖戦第3局で、視聴数が600万に迫り、将棋チャンネル歴代3位でした。藤井七段のタイトル戦初挑戦は非常に注目されています。

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新記録となった29連勝は、大きく社会的関心事になった ©文藝春秋

――画面右下にMとK(1Mは100万、1Kは1000)の数字が出ています。これがその日の視聴数を表しているのですか。視聴数と視聴者数は違うのでしょうか。

塚本 出ている数字は視聴数でアクセスの延べ数です。PV(ページビュー)と同じ考え方ですね。

――藤井七段は、炎の七番勝負、魂の七番勝負のほかに、AbemaTVトーナメントは3回とも出演しています。印象の変化はありましたか。

塚本 初めてお会いしたときは学ラン姿の中学生でした。スタジオで大人に囲まれて将棋を指すなんて経験はなかったはずなのに、堂々として将棋が始まると顔つきも変わって集中し、プロなんだなと思わされました。本当に謙虚で気配りができてすごく大人びていましたが、最近はさらに大人になってどーんとした落ち着きが増し「これでまだ十代なのか」とびっくりさせられます。

※数字は2020年7月15日時点。棋聖戦第4局(2020年7月16日)の視聴数は690.7万で歴代3位だった

視聴者を引き付けるためにしていることは

――将棋をあまり指さないファン、観る将と言われるファンも多く視聴しています。難しい解説だけでは理解できない視聴者を引き付けるために、工夫していることはありますか。

谷井 1手指すのに2時間以上かかることもありますから、なるべく画面上の変化をつけるように、解説棋士や聞き手の女流棋士の1週間を紹介したりしています。対局者だけでなく出演している棋士の方のことも応援したいという視聴者のニーズがあるので応えたいと思っています。最近、出演棋士のプライベートの写真の提供をお願いするようにしました。棋士の方も放送を楽しく盛り上げようと考えてくれ、写真をたくさん送ってくださったりと、非常に協力的で感謝しております。

塚本 自己申告を元に作った1週間の表が毎日「スプラトゥーン」になっていて、ゲーム好きが知れ渡った女流棋士の方もいました(笑)。話題性もあると思います。

「棋士の1週間」ABEMA将棋チャンネルより

――対局中の食事メニューを必ず見せています。これはスタッフが同じものを頼んでいるのですか。

塚本 対局者が食べる前に撮るのは難しいので、だいたいそうしています。もしかしたら、以前に頼んだ同じメニューの写真ストックから出している場合もあるかも(笑)。