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「産もうと。結婚なんてしなくてもいいからって」時代のミューズ・小林麻美が37歳で親友ユーミンにも芸能界にも別れを告げた理由

岡村靖幸×小林麻美「幸福への道」

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岡村 じゃあ、恋をすると、積極的にアタックするのではなく?

小林 待ちます。ずっと待ってる。

産もうと。結婚なんてしなくてもいいって

岡村 田邊さんとは結婚まですごく長くお付き合いをされましたよね。十何年も。なかなか難しいと思うんです、そんなに待つのは。

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小林 やっぱり、小さい頃から「待つ」ことが苦じゃなかった。母もなんだかんだいって、最後まで離婚をせずに父を送ったわけですし。なんだろう、自分でもよくわからないんですが、好きだったから「待った」んだと思うんです。「戻るに戻れない」というのもあったのかもしれないけれど。

岡村 本にもありましたね。結局、彼を超える人が出て来なかったと。すごく魅力的な方なんですね。

小林 魅力的です。非常にモテる人ですし。ただね、「私、待ってます」ということでもなかったと思うんです。気がついたら、「え、私、もう35じゃん?」というのが正しいと思う。ただ、32ぐらいのときは、この先どうなっちゃうんだろうというのは思ってた。その頃は若かったし、結婚に夢もあったし。幸せな家庭を築きたいという夢がありましたから。

岡村 それは伝えていたんですか? 結婚したいということは?

小林 いえ、彼は、自分の人生に結婚はないと言っていたし、私も、結婚だけが愛の形だとは思ってなかった。ただ、子供はほしかった。女性にはタイムリミットがあるし、私の頃は37でも「超高齢出産」といわれた時代。30代半ばになると、子供がほしいと思いつめた時期もあって。

 でも、あるとき達観したんです。結婚する1年ぐらい前だったかな、子供のいない人生でいいじゃないって。ふと、自分の中で決心したんです。クルマを運転しながら。そうしたら、その後、思いがけず、子供ができて。これはもうぜったいに産もうと。結婚なんてしなくてもいいからって。

 

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こばやしあさみ/1953年東京都生まれ。17歳でデビュー。84年「雨音はショパンの調べ」が大ヒット。91年極秘出産と結婚を発表し引退。2016年芸能界復帰。延江浩著の評伝『小林麻美 第二幕』(朝日新聞出版)が刊行されたばかり。8月中旬に、自身がセレクトするお洋服、アクセサリー等を紹介するオンラインストアをオープン。

おかむらやすゆき/1965年兵庫県生まれ。音楽家。86年デビュー。4年ぶりの新作アルバム『』が4月1日に発売。

文=辛島いづみ
写真=杉山拓也/文藝春秋 

「産もうと。結婚なんてしなくてもいいからって」時代のミューズ・小林麻美が37歳で親友ユーミンにも芸能界にも別れを告げた理由

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