(3)有楽町「都そば」は“キンキンに冷えたつゆ”で勝負
神田や有楽町、大手町といったさらに都心部の店はどうだろうか。実は、都心部の店ほど売り上げの回復が鈍い。特に、大型ビジネスビルの地下にある飲食コーナーは大変厳しい状況だという情報が入ってきた。都心に入居する大企業ほど、テレワークの導入率が高い。その結果、従来、階下の飲食店を利用していた人が少なくなる状態が続いているわけである。
自分は帝劇ビル地下2階にある「都そば」をよく利用している。8月に入ると「冷しそば」(310円)が始まるので、毎年足繁く通っているわけであるのだが、最近はお客さんが確かに少ない。いつもは「冷し春菊天そば」(430円)をいただくのだが、春菊天は夏場には入荷しないときもある。
この日は気張って、「冷しコロッケわかめ玉子そば」(530円)を注文した。濃い目のつゆが時にはシャーベット状に凍っていることもあり、キンキンに冷えている。そばは茹麺だがなかなかバランスが良い。お姐さんたちに話を聞くと、「苦戦中」とのことである。同じフロアの飲食店も大変だそうだ。どうにかがんばって切り抜けてほしいと思う。
(4)麹町「そばうさ」は“ビルの建て替え”に直面
オフィス街のど真ん中的な場所にある麹町の人気店「そばうさ」にも伺ってみた。ちょうど午前11時半過ぎで、お客さんも増加中であった。出入口は解放し、テーブルはビニールで仕切って感染対策を行っている。
注文カウンターをみると、半数くらいはテイクアウト用の容器が並んでいた。店主の小島さんに聞いてみると、やはりテイクアウトにも力をいれているようだ。たしかに、「そばうさ」の蕎麦はゴワッとした伸びにくい麺なので、テイクアウトでも扱いやすいに違いない。やはり、「バジル冷そば」(850円)は大人気。女性客が多いのもうなずける。
しかし、「そばうさ」はビルの建て替えがあり、ここでの営業は10月24日までという。できるだけ近くで再開したいそうだが、移転先は決まっておらず、小島さんも少々心配な様子だった。朗報を早く聞きたいものである。