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“不景気に強い”はずが…東京の立ち食いそば「閉店ラッシュ」 都内人気5店の“戦い方”とは?

2020/08/18
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(5)渋谷「本家しぶそば」の“復活を信じたい”

 そしてもう一つ心配なことがある。“感染第2波”が拡大した7月以降、さらに閉店が増えているのだ。渋谷や神田の「小諸そば」、お茶ノ水の「明神そば」、水道橋の「富士そば」など。大手チェーン店の閉店が増えている。非常に危機感を覚えるわけである。

8月12日午前10時の渋谷スクランブル交差点

 そして、8月11日、コロナとは関係ないが、「本家しぶそば」が再開発のため、9月13日で40年の歴史に幕を閉じるとの公式発表が伝わってきた。翌日午前、訪問して「冷したぬきそば」(450円)を注文した。お店は閉店のニュースなど何もなかったのように、いつもと変わらず老若男女が黙々とそばを食べていた。盛況である。

「本家しぶそば」が再開発のために9月13日で40年の歴史に幕を閉じる
閉店の張り紙はいつみても悲しいものだ
「冷したぬきそば」(450円)はいつも変わらぬうまさだ
七味唐辛子をふって暑気払い

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 自分も30年前、会社を辞めた時、こちらで一人そばを食べて、再起を誓った記憶に残る店である。「本家」がなくなるわけにはいかないだろうし、再開発後は必ずや舞い戻って「本家しぶそば」が復活すると堅く信じている。しかし、渋谷のスクランブル交差点には人がほとんどいない状態だった。