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――第四話に登場する、物語のキーとなる広告のコピーには、こう書かれてある。
「恵まれない少女たち、なんて呼ばないでほしい」
社会的に弱い存在でも、それでも主体的に、自分を損なってくる相手と戦うことはできる。そしてそんな彼らと一緒に戦うために、公権力は存在している。
『MIU404』が描くのは、そんな「たすけられないけど、たすけようとする」公務員ヒーローの姿だった。
注目の最終回「見えていない悪」久住を演じる菅田将暉
今も世間から見えていないところで、法律をすり抜けたところで、悪は存在する。インターネットに「404 Not Found」というエラーメッセージがあるが、見ようとすると「見つかりませんでした」と表示されるように、彼らは世間から見えないところで、弱いほうへ被害を流してゆく。
しかしそれでも、戦うことはできる。そして一緒に戦おうとすることも、できる。弱者を弱者として描かないドラマ『MIU404』を通して私たちは、社会の見えていなかった戦いを発見する。
最終話では、世間どころか防犯カメラにもうつっていない、「見えていない」悪役として、菅田将暉演じる久住が控えている。彼はずっと伊吹や志摩には姿を見せないまま、しかし、たしかにそこにいる悪として『MIU404』に登場する。
彼は、法の下で逮捕されることはあるのか。伊吹と志摩の前に姿を見せることはあるのか。
『MIU404』最終話で私たちが見つけるものは、おそらく今、社会でまだ見つかっていない悪なのだと予想している。