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冷水シャワー、ゴミ入り弁当、個室ドア撤去……

 母による私の高校時代のネグレクト期間中に行われた蛮行はこればかりでは無い。思春期の男子高校生は当然の如くホルモン分泌が盛んで、毎日シャワーを使わないとすぐ頭皮から悪臭がする。

 そのために、私は毎日のシャワーを欠かさなかったのだが、母は私にシャワーを浴びさせまいと、嫌がらせでガスの元栓を閉めて温水を遮断して、冷水にした。こういうことを本当に毎日のようにやった。

 当然、ガスの元栓を自らの手で元に戻せば温水は復活する。しかし母は、私が髪を洗って全身がシャンプーだらけになっている「ちょうどいい」頃合いを見計らって、元栓を閉める。そうすると、泡だらけの私は、ガス復旧のため、廊下にある集中操作盤に行くことができない。

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 なおかつ、真冬となると、亜寒帯の北海道のことゆえ、いかに防寒性に配慮して設計されている札幌市内のマンションといえど、廊下に出た瞬間に気温五度以下の冷蔵庫並みの冷気が襲い、体の芯まで底冷えがする。私は母に温水を遮断されるたびに、水になったシャワーで仕方無く体と髪を洗った。たまりかねて、一度、全身泡だらけのまま母のいるリビングに直行して、「お前を殺してやる! 今すぐにガスを復活しろ!」と詰め寄ったことがある。母はゲラゲラ笑いながら、「日蓮さまの仏罰が当たったんだ!」と楽しそうに答えた。本当の話である。

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 そして母は、わざわざ私の入浴中にガスの元栓を閉めるのを、しまいには「家計費の節約のため。お前が毎日シャワーを浴びるおかげでガス代が高いから。お前が北大に行かないなら、ガス代を払う投資が無駄だから」と父親と全く同じ理屈でふんぞり返って正当化した。結局この行為は、私が2001年3月に高校を卒業して実家を出るまで続く肉体的虐待の最たるものであった。

 さらに書くときりがないが、母は私の高校時代、弁当の中に、白米とおかずの代わりにゴミを入れた。これに関しては一度きりの嫌がらせだったが、弁当箱を開いた途端、他の生徒に見られやしまいかと肝を冷やした。弁当箱を手に持った瞬間、やけに軽いので嫌な予感がし、完全に弁当のふたを開け切らない段階でそれが母の嫌がらせであると察知したので他の生徒には見られなかったが、本当に恥ずかしく、また情けなく、内心悔しさで泣きたい気持ちだった。

 最も異常だったのは、1999年の夏、高校2年の時であった。私が高校から帰宅すると、あるはずの私の部屋のドアが蝶番から外されていた。母が私の外出中を狙って、即席DIYよろしくドライバーで蝶番のネジを抜き取り、ドア自体を撤去したのだ。