——コギャル! なるほど。新しいものが大好きな子たちに。「女の子らしくしろ」とか「女の子なんだから下ネタ言うな」と育てられてきて、モリマンさんに衝撃を受けたり、励まされるみたいなところもあったかもしれません。
モリ夫 コギャルありがたかったです。上にはめちゃくちゃ怒られたりもしましたよ。でも、それはあなたの意見であって、全員のそれ聞いていられないから、私は誰に言われようが関係ねえと思って。何かの賞レースで大大大師匠の女にすっごい怒られた時、私無意識に爪の甘皮むいてたなぁ(笑)。
審査員だから言っていい立場なんでしょうけど、でも、好きか嫌いかを押し付けられてもなーと。それって、ラーメンの好みを店主に怒ってるのと一緒じゃんって。だから、別に嫌われてもいい、究極どうでもいいと思ってました。あの時はちょっと強かったです。
隙間があったら、そこにポコッと入る立場の芸人だ、と
——「芸人の世界でのし上がってやるぜ」みたいな気持ちは?
モリ夫 全然ないです。のし上がるためにはMCできなきゃいけないとか分かっていたので。だから、オセロは本当にすごいなと思ってました。あんなキャリア下なのに、鶴瓶さんに「おっさん、何言ってんねん」とか、あんただから言えるよね、っていう。絶対できないですもん。そこは小心者なので。
できる器じゃないんですよ。何かの隙間があったら、そこにポコッと入る立場の芸人というのは分かっていたので。
——そこまで悟っていたんですね。
モリ夫 でも、結局やりきれずに北海道に逃げてますからね。忙しいのが嫌で嫌で。ネットでは私がテレビで陰毛を出して干されたって言われてて、実際出してるんですけど、時系列的にそれはおかしい。干されたんじゃなくて、自ら帰ったんですよ、逃げたんです。
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写真=榎本麻美/文藝春秋