昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

特集観る将棋、読む将棋

「王位戦でタイトル初挑戦したころに……」広瀬章人八段が若くして弟子を取った理由とは

広瀬章人八段インタビュー #2

2020/11/16

 北海道出身の広瀬章人八段は、10月に開設された北海道研修会では幹事を務めている。また、キャリアの晩年になってから弟子を取ることが多いなかで、20代前半で師匠となったことでも知られている。30代になると後輩棋士との対戦が増えるが、どのような思いで後進の育成に臨んでいるのだろうか。

 また、棋界有数の強豪として知られる麻雀についても聞いてみた。(全2回の2回目/前編を読む)

広瀬章人八段

男女問わず研修会出身の棋士が出てほしい

――最近、北海道研修会が始まり、9月にプレイベント、10月に第1回が開かれました。広瀬八段は幹事を務めていますが、後進の育成へのお気持ちをお聞かせください。

広瀬 北海道のような地方で研修会が開設されるのは大きなニュースで、北海道新聞やNHKに取り上げてもらいました。北海道の将棋界にとって非常にいいことですし、いずれは男女問わず研修会出身の棋士が出てほしいと思っています。現在、育成体制を強化するためのクラウドファンディングも募集しています。

――広瀬八段は札幌出身ですが、住んでいたのはいつごろですか。

広瀬 生まれは東京です。父は転勤族でしたが、北海道出身です。札幌に住んでいたのは小学3年生から6年生ですね。実は小学6年の4月から8月くらいまでは東京の研修会に在籍していました。その後は奨励会に入って小学校を卒業する3月まで、合計で1年間、札幌から東京に通っていました。

――北海道出身の棋士は多いですが、奨励会に通っていた時期の話を聞くと大変ですよね。

広瀬 それでも、自分はまだマシなほうです。名寄出身の石田くん(直裕五段)は、旭川空港と新千歳空港の両方を使っていたそうですね。旭川は片道2時間、新千歳は4時間かけて親御さんが車で送り迎えしたと聞いています。

©iStock.com

幹事が交代で北海道に行くんです

――北海道は将棋が盛んですよね。どのような理由でしょうか。

広瀬 昔は北海道全体を歩き回って普及に励まれた先生もいました。近年は札幌を中心に、日本将棋連盟の支部が力を入れてくださっています。アマ強豪も多く、プロアマでレベルが高い地域です。

――地方では、2016年から福岡で九州研修会が開かれています。そこを参考にしているのでしょうか。

広瀬 北海道の研修会は幹事が5人いるのがほかと違うところで、幹事が交代で北海道に行くんです。なので、幹事間の連携が大事になるのが前提としてありますね。ただ、幹事によってカラーというか指導方法が多少変わるでしょうし、その中で人が入れ替わることは課題です。

 東京や大阪よりも九州の研修会を見たほうがいいということで、中座さん(真七段)と石田くんが見学に行きました。たしか、名古屋の東海研修会も行かれたと思います。