「本当に一瞬の出来事でした。MISIAさんを乗せた馬がゆっくり歩行している状態から、急にスピードを上げて勢いよく走りだしたんです。MISIAさんは10年以上乗馬の経験がありますが、それでも振り落とされて、2メートル近い高さから地面に叩きつけられる形になった。倒れている彼女が馬に踏まれないように、乗馬クラブの方がすぐに救助に入りましたが、激痛が走っていたはずの本人は『大丈夫、大丈夫』と周囲に心配をかけないように話していました」(TBS関係者)

MISIAさん Ⓒ時事通信

 大晦日の「第71回NHK紅白歌合戦」に3年連続5回目の出場が決まったばかりの歌手・MISIA(42)を突如襲った落馬事故。背中の胸椎棘突起(きょくとっき)部を骨折する全治6週間のケガを負い、予定されていた12月5日(神戸)、6日(大阪)のクリスマス・チャリティーライブは公演中止になった。

 問題の事故は11月15日午後、TBSの報道番組「NEWS23」のロケ中に起きた。長年にわたって知的障害者の支援をする組織「スペシャルオリンピックス」と交流を持つMISIAを、同番組が取材。関東郊外の乗馬クラブで障害を持つ選手たちと馬術競技で交流する様子の収録中だった。前出の関係者が続ける。

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TBSクルーは指示を受けていたが……

「その日は、健常者と障害者が触れ合うプログラムとインタビューの撮影を行う予定でした。事故が起きたのは、1つめのプログラムの途中です。馬に乗った状態で、並んだカラーコーンの間をジグザグに進んでスタート位置に戻ってくる速さを競うゲームでした。

 事前に乗馬クラブのトレーナーの方からTBSの撮影クルーに『ガンマイク(長い棒の先に設置されているマイク)を馬が見ると驚くこと』『光やライティングも馬に向けないように』『馬の前で走らない』などの指導を受けていました。

スペシャルオリンピックス公式サイトには「お見舞い」の文章が

 レースは3回行われ、2回目までは問題なく進んだのですが、3回目の時に馬が急に走り出してしまった。次のインタビュー撮影のセッティングをしているクルーもいて、乗馬クラブのトレーナーの方は『撮影クルーの動きに馬が反応した可能性がある』と話していました。出血はありませんでしたが、事故後すぐに待機室に戻って打撲箇所に湿布などを貼る応急処置を1時間ほど行いました。MISIAさんはその間も、一緒にレースをしていた障害者の女の子がショックを受けていないか、動揺していないかと心配していました。撮影の中止も検討したのですが、本人の強い意向もありインタビューまで撮影してロケは終了しました」