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特集女芸人の今

「ブスいじりの是非より、結局はお笑いが好きかどうか」女芸人Aマッソ・加納が抱く「野望」

「ブスいじりの是非より、結局はお笑いが好きかどうか」女芸人Aマッソ・加納が抱く「野望」

2020/11/28

genre : エンタメ, 芸能

note

女芸人の「テンプレが蔓延しているだけ」?

――それも女性芸人の数が増えたから、本当にお笑いが好きでやっている人、そこを足掛かりにしている人、両方の存在が見えてきたのかもしれないですね。

加納 もちろん。それを考えられる分母になってきたということですからね。

――Aマッソさんのコント「進路」内のセリフに「女性芸人は数が増えて活躍しているように見えるけど、テンプレが蔓延しているだけ」というものがありましたが、今の状況はどうですか。

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加納 難しいですね……まだあとちょっとかな。来年ぐらいからかな。来年再来年ぐらいから良くなるかなと。まだ、数は増えたけど、横並びの調和があんまりうまいこといってない気がする。ガガガッと擦れるような。みんな頑張ろうとはしてますけど。

 

――なるほど。

加納 「この組み合わせおもろい」という風にはあんまりなってきてないから、もうちょっとかな。もうちょっと待ってください。って、誰目線やねん(笑)。

――Aマッソさんがいたり、蛙亭さんやヒコロヒーさん、ニュータイプの女性芸人さんがどんどん出てきていますが、まだどこをどうしていいかが発見されていない。

加納 そうそう。上の人がまだ「混ぜるな注意」も分からんし。「これが最高」みたいな掛け合わせが分かってきたら、ようやくという感じです。って、誰目線やねん(笑)。

芸人をやることで、給湯室が楽しくなったらいいなって

――「女性芸人」ってジャンルだと思いますか?

加納 まぁ、一個の番組を作る上ではジャンルじゃないですかね。キャスティング側の気持ちになると。1組入れておくかって思うんじゃないかな。細かく言ったら違いますけどね。

――今回の特集も「女芸人の今」という題名ですが、こういう話題やテーマが出てくるのって「なくなりつつあるから」なんだとも思うんですよね。女性とか男性とか分けること自体がだんだん意味なくなってきている過渡期だからこそ、より問題意識が色濃く出ているのかなと。

加納 本当に「いやいや誰が言うてんねん」ですけど、わりとうっすらずっと、自分が芸人をやることによって同級生の会社員の友達とかが生きやすくなったらいいなって、そういう問題意識はちょっとあります。

 

 例えば私がツッコミとしてテレビで活躍することで、お局が変なこと言ったら「何言ってるんですか」ってつっこんでいいってなれば、って。社会的にも給湯室が楽しくなればいいなと思いますね(笑)。

――給湯室!