本当は、スタイルもスタンスも関係ないんじゃないか
――ちなみに、お笑いをやめようと思ったことはありますか?
加納 ないですね。それは。
――ネタのやり方を変えよう、は?
加納 いやいや、それは全然あります。今まで、漫才をやめてコントだけにしようと思ったこともあったし、自分の中で葛藤は毎回ある。飽き性なんで、あんまり「漫才道」とか「コント師」みたいなタイプではないかもしれないですね。
――イメージ的にはセンターマイク一筋な感じがしてしまうんですけど。
加納 そうだったら、たぶん吉本に行ってると思います。そもそも劇場がないので、センターマイク一筋でできない事務所なので。事務所ライブは月1回やし。
――メチャメチャポップなワタナベエンターテインメントですもんね。
加納 そうです。大好きですよ。書いといてください(笑)。「大好き」って、これは赤文字の太字で。
思うんですけど、本当はスタイルもスタンスもあんまり関係ないんだなって。ぺこぱも死ぬほどスタイル変えてるし、もっと言ったら、(ウーマンラッシュアワー)村本さんなんか二十何回コンビ解散して。めっちゃ好きやん、って思う。相方誰でもいいから漫才やりたいって、どんだけ好きやねんって。
世間は今「政治的なことを言いやがって」「それはお笑いじゃない」って村本さんに言いますけど、あんなお笑い好きな人おらんわって思いますよ。
自分がされてこなかったから(後輩には)してあげる
――加納さんは女性芸人の方からの支持がすごく厚いイメージがありますが、ご自身ではそれはなぜだと思われますか?
加納 飯食わしてるからじゃないですかね(笑)。
――餌付け(笑)。
加納 でも、私は先輩に飯連れて行ってもらえなかったので。連れて行ってもらえなかったというか、劇場に上の人が居ないんですね。ワタナベは特に、テレビで売れてる先輩が多いから。今10年目なんですけど、劇場の女芸人で私たちが一番上なんです。自分はやってほしかったのでそうしてるという感じですかね。
――「自分がされてこなかったから(後輩には)してあげる」という発想が素晴らしいですね。大体逆な気がします。
加納 でも、尼神(インター)の渚さんとかメイプル(超合金)のなつさんとか、他の事務所の先輩にはよくご馳走になるし、やっぱりうれしいので、事務所の後輩にはわりとしようと思ってます。あと、普通に自分が練習してるのもありますね。後輩に飯食わすのもそうだし、出待ちの女の子としゃべるのも、ほぼほぼロケの練習やと思って。