「いまだったら理解できるけど、当時はそこまで考えられなかった」
――事務所からトマパイの方向性は聞かされましたか?
小池 「ガツガツせず、ゆるーい感じで」とは言われました。2人とも歌やダンスを経験してきたわけじゃないし、できないことが分かっているから無理をしなくていいって。
――「70年代のピンク・レディー、80年代のWink、90年代のPUFFY、00年代はトマパイ」と言われたそうですが。
小池 言われました。とくにWinkさんのイメージだって。かといって、「こうしてほしい」と細かく言われることはなくて、割と自由だったので素でやってました。ただ、最初に話を聞いた時は「楽しそ~」と思ったけど、実際にやってみると想像と違ったんです。他のアイドルの方たちを見るとパキパキ踊っているのに、トマパイのダンスはゆるくて。でも、能力的に激しいダンスはできない。その差に恥ずかしさを感じていたんです。
――その「照れ」がいいという声もあったと思います。
小池 そうなんですか? いまだったら「まわりとの差を出す意味だった」と理解できるんですけど、当時はそこまで考えられなかったので、グループのイメージに対して葛藤がありました。
――奏木さんとのトマパイはインストアイベントを数回やっただけなんですよね。
小池 彼女とは親友だったんですけど、仕事でもずーっと一緒にいるうちにギスギスした関係になってしまったんです。ファンの方も2人だとわかりやすく分かれてしまうじゃないですか。年齢的にそんなことも気になって、心のなかでライバルみたいな感情が生まれたんです。お互い、負けず嫌いで頑固だったので。
――そこも似ていたと。
小池 そうなんです。仲がいい時は、私が他の子と話しているだけで嫉妬されたくらいなのに。2人の仲の良さをジェーン・スーさんが歌詞にしてくれた『Unison』という曲は、私たちの青春が描かれているようで好きでした。
――結局、奏木さんが事務所を辞めたことで終わってしまい。
小池 そうですね。彼女とは気まずい時期もあったんですけど、和解して連絡を取り合うようになりました。いまは結婚してお子さんも生まれたので、少し前に「(子供に)会いたい」と連絡をしたところです。
「え? またトマパイやるんですか?」
――シーズン2が始まる話はどういう形で聞いたんですか?
小池 事務所の方からご飯屋さんに呼び出されて、そこに2人の女の子(草野日菜子、和田えりか)が来て、「この3人でやります」と言われた記憶があります。
――小池さんの「やる」「やらない」という意志は……。
小池 なかったですね。「え? やるんですか?」って(笑)。すでに「お芝居をやりたい」と思っていたので、またトマパイを始めることに複雑な気持ちがありました。それに、アイドルをやる子には気が強いイメージがあって、前回とは違う意味で人間関係が難しそうだなという不安もありました。実際はそんなことはなかったんですけど。