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「無理矢理ちぢめて良いわけない」40年以上の観察でわかった“骨盤矯正”の意外な落とし穴

『女と骨盤』より #1

2021/01/04

source : 文春文庫

genre : ライフ, ヘルス, 読書

note

私の整体法―ゆるめること

 私の整体の基本は、ゆるめること。たとえば生理中は、骨盤が広がってみずからゆるもうとしているわけですから、骨盤のなめらかな動きを生むチャンスだと思っています。

 生理中もそうでないときも、基本的にやることは同じで、骨盤の自発的な動きをそのままトレースするように、ちょっとだけ補助する。

 このとき、生理の1日目、2日目だったら、骨盤がゆるんでいく途中なので、(私の整体で)より広がった状態になります。3日目、4日目ならば、きちんと骨盤がゆるみきると、その場で自然にちぢんできます(3日目の場合はゆるみきるタイミングになっていないこともある)。生理で骨盤が広がっているのか、別の理由で広がっているのかは、ある程度の見当はつきますが、骨盤に触れただけで確実には分からないので、整体の中で、1ヶ月の生理のサイクルのどのあたりになっているのかを訊ねることもよくあります。

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 1年間を通してみると、生理のときのように骨盤が広がりやすい季節というのがあって、それは春です。身体のバランスの変化が大きく、身心ともにデリケートになりやすい季節なのですが、この時期にうまくリラックスできると、そのあとの体調が良くなっていきます。

 中には骨盤がゆるむと脱力してふらふらになったりする人もいますが、思いきりゆるみきれば、その次には思いきりちぢむのです。骨盤が本当によくちぢむために必要なのは、ちぢめるための矯正ではなく、骨盤がゆるみたいときに思いきりゆるめることなのです。

女と骨盤

洋次郎, 片山

文藝春秋

2017年9月8日 発売

「無理矢理ちぢめて良いわけない」40年以上の観察でわかった“骨盤矯正”の意外な落とし穴

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